累風庵閑日録

本と日常の徒然

2014-01-01から1年間の記事一覧

『居酒屋の誕生』 飯野亮一 ちくま学芸文庫

●某書肆から刊行される鷲尾三郎を予約した。 ●『居酒屋の誕生』 飯野亮一 ちくま学芸文庫 読了。 江戸の呑みだおれ文化、という副題が付いている。酒屋とも煮売屋とも異なる居酒屋という業態は、十八世紀中頃に現れる。発生当初は酒屋の副業といった位置付け…

歌川国貞

●原宿の太田記念美術館に、歌川国貞の展示会を観に行ってきた。ちょっと凄かったのが最晩年の作で、なんらかの事情で刊行されなかった画集の下絵。人工的に完成され洗練された浮世絵であっても、実際は生身の人間が手を動かして絵を描いている。当たり前であ…

『マンアライヴ』 G・K・チェスタトン 論創社

●『マンアライヴ』 G・K・チェスタトン 論創社 読了。 訳文の質の心細さで有名な本である。それを知っていたので最初から、逐語的に文章を味わうような読み方を放棄して、書いてある意味をざっくりとつかみ取るような読み方に努めた。 前半、情景を描写す…

立て立て、這え這え

●お願いしていた私家版の冊子が届いた。『立て立て、這え這え』 島久平 復刻叢書『お先へごめん』 島久平 復刻叢書●別の私家版冊子の案内をいただいている。こちらも今月中に刊行予定。注文したので、代金を振り込まなければならない。

『「黒猫」傑作選』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫

●一晩ぐっすり寝ると体調はだいぶ回復した。だがまだ用心して、朝飯はお粥にする。玉子粥が優しい味で、旨くて嬉しい。それはいいのだが、煮ている最中に鍋がでろんでろんに吹きこぼれて、ガスコンロの受け皿部分が糊状の池になっていた。体を労わるつもりが…

読めない

●体調が悪く、終日寝たり起きたりで安静に過ごす。起きている間はネットをだらだら眺めるだけ。本を読む気にもならず。

寝る

●体調が悪いので晩飯抜きで、本も読まずにもう寝る。でも某書肆から刊行される橘外男の予約だけはした。●ついうかうかと半月ジムをサボってしまったのを、昨日再開したと思ったらこの体たらく。

エクスペンダブルズ3

●『エクスペンダブルズ3』を観てきた。アクションのカット割りが細かすぎて何をやっているのかよくわからないシーンがちょいちょいあった。それに、せっかくジェット・リーが出るのに全然格闘しとらんやんけ。などというのは些細な不満点で、全体的にはめち…

『自分を殺した男』 J・シモンズ 論創社

●『自分を殺した男』 J・シモンズ 論創社 読了。 ユーモアの味付けをしたサスペンスで、これといった特異な展開はない。殺意が醸成され、殺人が計画され、その後の顛末が描かれる流れが型通りである。主人公の男の造形もある種典型的で、可笑し味を伴う情け…

市民まつり

●今日は住んでいる街の市民まつりのようなイベントが開催されている。市内二カ所の会場をちょいと覗いてみたが、特にどうということもない。さっさと帰宅して、レンタルしていたDVDの『武器人間』を観る。これは酷いグロバカ映画で、大変面白い。そのあと…

霧に包まれた骸

●埼玉県は川越市のとある寺で、居合道の奉納演武があるというので観に行ってみた。武道の演武ってえのを初めて観るけど、ううん、どうも鑑賞の仕方がよく分からない。二時間半のプログラムを四十分ほど観て、もういいやという気分になったので立ち去る。 ●せ…

『停まった足音』 A・フィールディング 論創社

●渋谷区立松涛美術館に、「御法に守られし醍醐寺」という展示会を観に行ってきた。会の目玉は国宝である「過去現在絵因果経」という絵巻で、釈迦の生涯を描いた奈良時代八世紀の作品である。その画風は、なんというかあまりに素朴。そこいらのちょっと絵心の…

今月の総括

●今月の総括。買った本:十冊読んだ本:十一冊読書が好調でいい感じだが、それを帳消しにしかねない本買いの勢いはどうだ。そしてこの後すぐ、論創社の三冊と戎光祥出版の珍本全集とを買う予定なのであった。

『白と黒』 横溝正史 東都書房

●早朝の電車で金沢を発ち、高岡に移動する。ちょいとしたマニアックな用事で、二時間ほど滞在する。ついでに、偶然見つけた高岡大仏とやらを見学する。日本三大大仏のひとつだそうな。が、その呼称は自称だってえのが微笑ましいではないか。 知らなかったが…

丸岡城

●今日から金沢方面に旅行に行く。切符は、石川・富山エリアが乗り降り自由となる「北陸フリー乗車券」を使う。特急料金を節約するために始発電車で高崎まで行き、新幹線に乗り換える。越後湯沢で在来線の特急に乗り継ぎ、金沢までひとっ走り。さらに各駅停車…

浄玻璃と渦と蝶と白と黒

●午前中は野暮用。 ●午後から「光文社文庫の『金田一耕助の帰還』を一年かけて読む」プロジェクト。今回は「渦の中の女」を読む。まず最初に、原型となった佐七もの「浄玻璃の鏡」を読み、先日読んだ「渦の中の女」を再読、そして「黒い蝶」の現在発見されて…

『旅人の首』 N・ブレイク ポケミス

●上野の国立博物館に「日本国宝展」を観に行ってきた。博物館到着は八時少し過ぎである。入場ゲートの前にはすでに先客が並んでおり、私は四人目だった。国立博物館に行くのは初めてで様子が分からなかったが、九時半の開館に対して八時過ぎに来れば、十分ゆ…

エドウィン・ドルードのエピローグ

●いつもより一時間早起きして、始発電車で街に出る。JRのみどりの窓口が朝六時に営業を始めるタイミングに合わせ、ちょっとした手配をする。あとで確認すると望みどおりの結果が得られており、満足である。 ●新刊書店で本を買う。『エドウィン・ドルードの…

かぶる

●最近自炊をよくやるようになった。というのは昨日も書いた。そして今日は水曜日、飲んでいい日である。晩の肴は牡蠣とホウレン草のバター炒め。牡蠣もホウレン草も、バターの風味が実によく合うね。もう一品は先日作っておいた金平牛蒡。輪切り唐辛子をたっ…

『死の猟犬』 A・クリスティー クリスティー文庫

●『死の猟犬』 A・クリスティー クリスティー文庫 読了。 クリスティーには珍しい、怪奇小説集。これが予想以上に面白い。「第四の男」強そうな手、という描写がじわじわ不気味に思えてくる。「ランプ」クラシックなスタイルの音響怪談。「青い壺の謎」すっ…

本を売る

●本を整理して、ダンボール一箱分売ってきた。売値は二千円也。まあそんなとこだろう。ところでぱっと見、部屋が整理された気が全くしないのだが。

『「ロック」傑作選』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫

●自分でもどうかと思うほど、床屋に行くのが面倒くさい。大概髪が伸びて鬱陶しくなっているにもかかわらず、あまりに面倒くさくて床屋に行くのを何日も先送りにしていた。今日になってようやく、意を決して行ってきた。……大げさなことである。 散髪が終わる…

『若殿浮世絵さばき』 城昌幸 桃源社

●『若殿浮世絵さばき』 城昌幸 桃源社 読了。 摂州尼ヶ崎四万石、松平遠江守の子息、若殿の千代丸が主人公。性快活で腕っぷしがたつが、堅苦しい武家暮らしがお嫌い。時折市井に出ては、巷の事件に首を突っ込んで退屈しのぎをしている。今日も今日とて、ある…

サントリー美術館

●赤坂のサントリー美術館に「高野山の名宝」という展示会を観に行ってきた。なかなか素晴らしい内容であった。国宝の八大童子像も重要文化財の四天王像も、その他の仏像彫刻も実に見応えがある。密教法具の五鈷杵や独鈷杵なども、これまたカッチョイイ。私の…

『ボルジヤ家罪悪史』 ヂューマ 平凡社

●『ボルジヤ家罪悪史』 ヂューマ 平凡社 読了。 なかなかにえげつない話であった。ローマ法王アレキサンダア六世またの名をロデリゴ・ボルヂアと、その息子シイザア・ボルヂア。この二人の後半生を描く物語である。彼らは己の欲するままにひたすら奪い、殺し…

無形民俗文化財

●市指定無形民俗文化財の獅子舞が、とある神社で奉納されるというので観に行ってみた。しばらく眺めていたが、同じような所作が続くので三十分ほどで飽きて立ち去る。車は近くの歴史民俗博物館の駐車場に止めておいた。ついでだから博物館をちょっとだけ覗い…

根津美術館

●南青山の根津美術館に、「名画を切り、名器を継ぐ 美術にみる愛蔵のかたち」という展示会を観に行ってきた。痛んだり破損したりした美術品が、補修された状態で現代に伝わっている。あるいは時代の好みによって絵巻物や墨跡が切断され、掛け軸に仕立てられ…

手強い

●横溝関連でまだ読んでいない本がたくさんある。今日から、平凡社の世界猟奇全集第五巻『ボルジヤ家罪悪史』を読み始めた。実態は違うらしいが、横溝正史訳とされている本である。 すいすい読める歴史娯楽読み物かと思っていたら、これが案外手強い。十五世…

『BGスパイ』 五島勉 芸文社

●『BGスパイ』 五島勉 芸文社 読了。 いやはや、どうにもこうにも。 「デパートを燃やせ」という副題が付いている。産業スパイを題材にした小説である……一応は。北銀座デパートの中枢には秘密の情報部があり、所属する機密情報部員の顔も名前も秘匿されて…

三井記念美術館

●東京の三井記念美術館で開催されている「東山御物の美-足利将軍家の至宝-」を見学に行く。会場に向かうエレベーターでたまたま乗り合わせた、上品な奥様風の老女、見ず知らずの私に向かって切符は持っているのかと訊くのでこれから買うのだと答えると、複…