累風庵閑日録

本と日常の徒然

2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

神保町シアター

●畠山記念館に「THE 琳派」という展示会を観に行ってきた。本阿弥光悦と俵屋宗達に始まり、日本の美意識の一翼を担った琳派。畠山美術館の所蔵品から、そういった琳派の逸品を選んでの展示である。重要文化財の「赤楽茶碗 銘雪峰」が面白い。その面白さは…

放送中の死

●書店に寄って本を買う。『放送中の死』 V・ギールグッド&H・マーヴェル 原書房『怪盗紳士ルパン』 M・ルブラン ハヤカワ文庫ルパンシリーズをほとんど読んだことがないといっても、さすがに第一短編集は読んでいる。読んだのは創元推理文庫の『怪盗紳士…

第二横溝プロジェクト

●今年の横溝プロジェクトは、『金田一耕助の新冒険』を読む他にもうひとネタある。題して「朝顔金太捕物帳をちゃんと読む」である。金太シリーズを通して読み、その一編毎に改稿後の佐七バージョンなんかとざっくり比べてみようという趣向である。 横溝文献…

『蒼ざめた馬』 A・クリスティー クリスティー文庫

●『蒼ざめた馬』 A・クリスティー クリスティー文庫 読了。 風変わりな展開で始まる。事件が起きてその真相を探るのではなく、そもそも事件が起きているかどうかを探る物語である。やがて重点はハウダニットに移り、次第に隠されていた背景が見えてくる。 …

江戸のルパン

●久しぶりに古雑誌の目録買い。『剣豪列伝集 第二十二集 風雲怪剣士大特集』 双葉社目的は横溝正史の時代小説「江戸のルパン」である。「不知火奉行」の改題版。

『堕ちる人形』 H・ローレンス 小学館文庫

●『堕ちる人形』 H・ローレンス 小学館文庫 読了。 私立探偵が犯人探しに活躍するが、ロジックの面白さを愛でる作品ではなく、味わいとしてはサスペンスミステリ。実は私立探偵と二人の老嬢とのトリオ探偵のような設定でシリーズになっているそうで。そのこ…

羈ユ下

●昨日、やけにアクティブに活動した反動のようなもので、今日は積極的に何かやろうという気にならない。ジムに行く予定だったがそれもかっ飛ばす。とはいっても一日部屋にこもっていると気が詰まるので、近所のショッピングモールのコーヒーショップに本を読…

ウネルヴィル城館の秘密

●JRの「休日おでかけパス」を使って、鎌倉に行ってきた。目的はふたつ。鎌倉五山のうちまだ行っていない浄妙寺と寿福寺に行くこと。そして、鶴岡八幡宮境内の鎌倉国宝館で開催されている「肉筆浮世絵の美」を鑑賞すること。 駅前のコーヒーショップでモー…

『悪魔の降誕祭』 横溝正史 角川文庫

●先日、口座を持っている銀行から連絡があった。一度金融商品の相談に来ないかという。相談という名の勧誘である、もちろん。こんな木端サラリーマンをつかまえて何をしたって銀行側のメリットはたかが知れていると思うのだが、それは先方が判断する問題であ…

悪魔の降誕祭

●昨日はついつい酒が進み過ぎて、今朝は二日酔い。最近は飲んでいい日であっても割と節制できていて、二日酔いにはご無沙汰だったのだが。 ●角川文庫の横溝正史『悪魔の降誕祭』から、表題作を読む。昨日読んだ原型版と比べ、描写が細かく丁寧になり、事件で…

プロジェクト発足

●本を買う。『ポアロとグリーンショアの阿房宮』 A・クリスティー クリスティー文庫 ●今年の横溝プロジェクト「光文社文庫の『金田一耕助の新冒険』を一年かけて読む」をいよいよ発足させる。最初は「悪魔の降誕祭」である。内容はクリスマス時期の話だが今…

『戯曲アルセーヌ・ルパン』 M・ルブラン 論創社

●『戯曲アルセーヌ・ルパン』 M・ルブラン 論創社 読了。 ルパンシリーズってほとんど読んだことがなく、どういう面白さなのかいまいち分かっていない。そんな状態で読んだ本書は、悪くいえば他愛ない、よくいえばシンプルで軽快。なかなか面白かった。ルパ…

意外な所持品

●蔵書整理をしていると、入手したこと自体すっかり忘れていた意外な本が見つかって、おお、俺はこんな本を持っていたのか、と驚くことが時々ある。今回横溝文献コピーの整理に手を出して、入手したのを忘れていた意外な資料が見つかり、同じような驚きを味わ…

『鮎川哲也名作選 冷凍人間』 河出文庫

●『鮎川哲也名作選 冷凍人間』 河出文庫 読了。 「本格ミステリコレクション」の第四巻である。初期ノンシリーズ作品集成というコンセプトはそれ自体意義があると思うし、単行本未収録の作品を読めたのはよかった。だが、あまり興味を感じない幻想譚が多く、…

完了

●午前中は野暮用。 ●午後は昼寝をして鮎川哲也を少し読む。 ●論創社『横溝正史探偵小説選』の三巻と、創元推理倶楽部秋田分科会の横溝本五冊とを本棚から引っ張り出し、収録されている小説作品をリストに入力する。これで一応のリストアップ作業は完了。次の…

作業継続

●横溝作品のリストアップ作業を継続。ようやく見つかった『消すな蝋燭』から取り掛かり、緑三〇四以降の角川文庫から『双生児は囁く』と『喘ぎ泣く死美人』、そして洋泉社『横溝正史全小説案内』に収録された小説作品、と入力作業を進める。 作業時間をあま…

リストアップ作業に着手

●今年はちっとばかし積極的に、横溝文献を読んでいきたいと思っている。……その決意を実行に移せるかどうかは未知数だけれども。まずは準備として、比較的最近単行本化された作品をリストアップしてみることにする。そうすれば、角川文庫「緑三〇四」と春陽文…

雪月花

●三井記念美術館に、「雪と月と花」と題する展示を観に行ってきた。国宝の丸山応挙「雪松図屏風」を目玉に、雪月花モチーフの美術品の展示である。対象は幅広く、茶器、屏風絵、襖絵、浮世絵、能装束など。「雪松図屏風」はもっとこう水墨画みたいに、ぼんや…

『六つの奇妙なもの』 C・S・J・スプリッグ 論創社

●『六つの奇妙なもの』 C・S・J・スプリッグ 論創社 読了。 翻訳小説では時折、同じ個所を何度か読まないと文意が取れない作品に出くわす。だが本書はそういう引っ掛かりが一切なかった。とにかく読みやすくて分かりやすい。原文が素直で訳文の質が確か、…

世を騒がす嘘つき男

●今年初ジム。ようやく行けた。筋トレと有酸素運動とストレッチで二時間。 ●去年買い残していた本をhontoに注文していた。『世を騒がす嘘つき男』 井伊順彦編 風濤社「英国モダニズム短編集」の第二巻である。巻末解説を拾い読みすると、風濤社からチェ…

『犯罪王モリアーティの復讐(上)(下)』 ガードナー 講談社文庫

●『犯罪王モリアーティの復讐(上)(下)』 ガードナー 講談社文庫 読了。 悪の組織の頂点に君臨するモリアーティ教授の活躍を描く犯罪小説。私の趣味から大きく外れていた。主人公である教授が完璧な悪の超人で、人間味がなく魅力に乏しい。そもそも、絶対…

『闇に葬れ』 J・ブラックバーン 論創社

●『闇に葬れ』 J・ブラックバーン 論創社 読了。 舞台は現代英国。十八世紀の貴族で、悪魔憑きの噂もある人物の墓を暴こうと運動する団体と、阻止しようとする教会勢力との間の駆け引きを、若干のホラーテイストを織り交ぜながら描く。途中までは、ちょっと…

バークリー書評集

●今年初の本買いは、『アントニイ・バークリー書評集』 アントニイ・バークリー書評集製作委員会 である。コミケに行かなかったし通販はなにやら手続きが面倒そうだしで入手を諦めていたのだが、盛林堂さんで扱い始めたというので早速注文していた。 余談だ…

ぐだぐだ

●年明け早々に熱を出し、それがきっかけのようになって生活のリズムも読書の計画もぐだぐだになってしまった。今年の二冊目として手に取った本がどうにも進まず、いったん断念。明日から何を読み始めるか思案中。 ●今日は水曜で、飲んでいい日である。鰹たた…

『化人幻戯』 江戸川乱歩 光文社文庫

●朝平熱だったので病院に行かなかったら、夕方になってまた発熱。どうなってんの。 ●ようやく年賀状を書いた。旧正月までは正月ということでどうかひとつ…… ●残っていた「海底の魔術師」を読んで、『化人幻戯』 江戸川乱歩 光文社文庫 をようやく読了。 「海…

化人幻戯

●いやあそれにしても、熱があるといくらでも眠れるね。 ●ようやく「化人幻戯」読了。トータルでまあ面白かった。あらかじめ期待値をかなり下げて臨んだおかげである。全体的な構造が、様々なトリックあり意外な犯人ありの典型的な犯人当てミステリになってい…

熱でキャンセル

●昨日から喉が痛くて嫌な予感がしていたら、案の定熱が出た。発熱のいつものパターンである。 ●明日から一泊二日で温泉旅館に行く予定だった。ちっとも使えない「18きっぷ」を使うため、力ずくで捻じ込んだ旅程である。だが体調が悪いため、宿の予約をキャ…

平常心

●今日は何も予定がないが、一日部屋にこもっているのもつまらないので、午後になってふらりとでかける。近所のショッピングモールのコーヒーショップに、本を読みに行くことにする。 午前中から読んでいた「化人幻戯」を七割ほど。この作品は創元の探偵小説…

いつもの日常

●新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。●いつも通り朝五時に起き、大浴場で体を目覚めさせる。朝食バイキングをたっぷり喰って、いい気分でチェックアウト。八時の電車で帰路に就くつもりが、雪で大幅に遅れているんだと…

『楠田匡介名作選』 河出文庫

●年が明けてから大晦日の日記を更新するのは間が抜けているが、かまわず書く。 ●独り部屋にこもって年を越すのはちょいとアレなので、「18きっぷ」を使って出かけることにする。なんにも用事はないけれど、電車に乗って米沢まで行ってこようと思う。まあど…