累風庵閑日録

本と日常の徒然

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

総括

●今月の総括。買った本:十三冊読んだ本:十冊私家版と同人誌とが買った本のほぼ半数を占めるというのは、そういった活動が活発で喜ばしいことではあるが、どうも凄い状況である。

『ワンダーランドの悪意』 N・ブレイク 論創社

●『ワンダーランドの悪意』 N・ブレイク 論創社 読了。 執拗に悪戯を仕掛ける者は誰か、という謎はあまり好みではない。脇筋の真相もあまり好みではない。結局最後まで、いまいち気分が盛り上がらないまま読了してしまった。よかった点を挙げると、犯人の意…

浮かぶ魔島

●いろいろ届いた。 まずは盛林堂さんから『アントニイ・バークリー書評集 Vol.3』 アントニイ・バークリー書評集製作委員会『『新青年』趣味 XVI』 『新青年』研究会『浮ぶ魔島』 甲賀三郎 盛林堂ミステリアス文庫の三冊。 hontoからは『摩天楼…

角兵衛獅子

●金太シリーズ「雪の夜話」を佐七版に改稿した、「角兵衛獅子」を読む。春陽文庫の第四巻『好色いもり酒』に収録されている。結論として、内容は金太版とほぼ同一である。主人公の名前を入れ替えただけに近い。少ない違いの一つが、いつものように佐七一家の…

雪の夜話

●ほぼ月イチのペースで取り組んでいる横溝プロジェクト。今回から名称がちょっと変わって、「横溝正史の『金太捕物聞書帳』をちゃんと読む」になる。朝顔金太捕物帳シリーズは、昭和十九年に十二回連載された後、翌昭和二十年にはシリーズの名称が変わって金…

せっかち

●ネットでお願いしている四件の依頼事項が、現在すべて宙ぶらりんである。状態はそれぞれ、入荷待ち、連絡待ち、到着待ち、発送待ちとなっている。せっかちな性格をしていると、こういう時に困る。いい加減ちゃっちゃと決着をつけたいのに、ただ待つ以外何も…

『江戸の温泉三昧』 鈴木一夫 中公文庫

●『江戸の温泉三昧』 鈴木一夫 中公文庫 読了。 倉敷のイベントに旅のお供として携えていった本。旅行中は結局半分しか読めなかった。昨日読んだ『四次元温泉日記』は、酔った状態で時間潰しに読むためにその場でぱっと買った本だが、こっちは素面の状態でち…

倉敷のイベント

●いつもより一時間早起きして、早朝の電車で東京に向かう。新幹線に飛び乗って岡山へ。倉敷市の観光イベント「巡・金田一耕助の小径 1000人の金田一耕助」に参加するのである。 岡山で伯備線直通の電車に乗り換え、清音駅で下車。集合場所に出向いて受付…

学会

●起床は六時。完全に寝不足だが、朝は時間に余裕が欲しいのでがんばって起きる。大浴場で体を目覚めさせ、ポメラで少し日記を書く。七時半にホテルをチェックアウトして、倉敷駅のパン屋のイートインで朝飯。改札前に集合して、電車で清音駅へ。駅にスタッフ…

四次元温泉日記

●今回取ったサンライズの個室は、進行方向右側に位置する。今の季節だと熱海を過ぎる頃には白々明けで、車窓に時折見える太平洋が青黒い。定時に東京駅に到着した列車を降り、どこかに寄り道するでもなく、そのまま真っ直ぐ帰ることにする。 ●帰宅して、荷物…

『マリナー氏の冒険譚』 P・G・ウッドハウス 文藝春秋

●『マリナー氏の冒険譚』 P・G・ウッドハウス 文藝春秋 読了。 どこがどのように可笑しいのかを説明するなんてのは野暮なので、気に入った作品名を挙げるだけにする。クロスワードパズルのキーワードで会話する「ジョージの真相」、ドラえもんの奇妙な薬が…

『「密室」傑作選』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫

●『「密室」傑作選』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫 読了。 山沢晴雄「罠」は、語り手の人物像が冷徹で面白い。これはきっと、(伏字)のだろう。そう読んだ方が面白さが増す。鮎川哲也が別名義で書いた「呪縛再現」は、よく考え抜かれたさすがの逸品………

二週間以上

●ウッドハウスの短編集を読んでいる。が、飽きてきた。個別の作品は間違いなく面白いんだけど、内容が他愛なくてトーンがみんな同じなので、どうしても飽きてくる。序文でも触れられているけど、もともと一気に通読する本ではないのかもしれない。たまたま別…

「三つ首塔」の異同

●午前中は野暮用。状況が変わって、今まで朝五時半に家を出ていたのが、今回から八時半出発でよくなった。これはかなり楽である。 ●お願いしていた私家版の本が届いた。『緑の自動車』 ワイスル 湘南探偵倶楽部 ●文庫版と比較するために、東京文藝社の『三つ…

『三つ首塔』 横溝正史 角川文庫

●『三つ首塔』 横溝正史 角川文庫 読了。 金田一耕助はほとんど登場せず、いわばシリーズ外伝のような作品。ヒロイン視点で語られる、スーパーヒーローの物語である。一難去ってまた一難式に危機に見舞われるヒロインの運命を読みながら、安全な場所にいる読…

『四十面相クリークの事件簿』 T・W・ハンシュー 論創社

●『四十面相クリークの事件簿』 T・W・ハンシュー 論創社 読了。 明朗探偵活劇。あるいは、ホームズ譚を雑にした感じの冒険ミステリ。ホームズ短編を三つ足し合わせて四で割ったような。事件の初めに提示される謎は、笑って人を噛み殺すライオン、透明にな…

先々の楽しみ

●国会図書館のサイトにログインして確認すると、依頼していた複写資料はすでに発送されたらしい。となると、遅くとも木曜には入手できるだろう。その一方で、北海道立図書館からはまだリアクションなし。ここは代金先払い制で、まずは請求書が郵送されるはず…

おれは殺されんぞ

●お願いしていた私家版の本が届いた。『おれは殺されんぞ』 島久平 復刻叢書『マンマ、マンマ』 島久平 復刻叢書 ●資料の残り五十枚ちょいをコピー。ひとまずこれで打ち止めとする。でも、探せばまだ何か小ネタくらいはあるかも。

『ストラング先生の謎解き講義』 W・ブリテン 論創社

●『ストラング先生の謎解き講義』 W・ブリテン 論創社 読了。 面白いというより、むしろ楽しい作品集である。出来のいいミステリ短編を読む楽しさが存分に味わえる。特に楽しめたのが「ストラング先生、グラスを盗む」と「ストラング先生、証拠のかけらを拾…

打ち合わせ

●午前中はジム。 ●昼飯喰って昼寝してから、電車に乗って出かける。某所で某案件の打ち合わせをやるのである。十五時に駅の改札前で待ち合わせ。総勢三人で、近くのファミレスに落ち着く。その後遅れてきたお二方が合流。いろいろ話をして、当日の段取りがだ…

乃木大将の像

●横溝正史が少年時代に読んだという、ホームズもの「六つのナポレオン像」の翻案小説があるそうな。作中で壊されるのはナポレオン像ではなく、乃木大将の像だったという。長い間この翻案小説の正体が気になっていたのだが、つい最近ツイッター経由で判明した…

『バートラム・ホテルにて』 A・クリスティー クリスティー文庫

●『バートラム・ホテルにて』 A・クリスティー クリスティー文庫 読了。 ファンタジックで長閑なスリラー。マープル・シリーズと謳われているが、彼女はちょいと登場する程度である。デイビー主任警部が主人公格で捜査に当たる。一応殺人が起きるし、犯人像…

ラリーレースの惨劇

●今使っているパソコンは、買ってからそろそろ丸五年になる。今ではたまに画面がカクカクするようになっているし、この前はとうとうブルースクリーンになってしまったことがある。そろそろ買い替えの時期だろう。 タイミングとしては、何やら不具合の噂も聞…

『新幹線大爆破』 J・ランス+加藤阿礼 論創社

●『新幹線大爆破』 J・ランス+加藤阿礼 論創社 読了。 型通りのパニック・サスペンス。だが、その「型」が実に上手くハマっていて、いやはや、すこぶる面白い。一難去ってまた一難式の展開が強引だけれど、フルスピードで突き進む物語に乗っかって読んでい…

『不可能犯罪課の事件簿』 J・ヤッフェ 論創社

●『不可能犯罪課の事件簿』 J・ヤッフェ 論創社 読了。 過剰な装飾のない、真っ当で素直なミステリ短編集。「キロシブ氏の遺骨」や「袋小路」でちょいとずっこけたりもするが、それをフォローするクイーンのルーブリックが素晴らしい。本編とルーブリックを…

神保町横溝オフ

●午前中はジムで運動。 ●昼飯喰って昼寝して、少し本を読んでからゆっくり出かける。神保町で横溝系のオフ会に参加するのだ。 ●混雑は嫌いだし古本からは足を洗っているから、古本まつりには行かなくていい。けれどせっかく神保町に来たのだから、ちょっとだ…