累風庵閑日録

本と日常の徒然

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

気分が高まる

●今年前半、「光文社文庫の『金田一耕助の新冒険』を一年かけて読む」プロジェクトをやっていた頃は、少なくとも月に一冊は横溝正史を読んでいた。プロジェクトが完結してから、朝顔金太を別にしてちょっと横溝作品から遠ざかっているので、だんだん読みたい…

怪盗ニック全仕事

●いろいろ野暮用が重なって行けなかった、上野の森美術館の「大河原邦男展」にようやく行けた。ガッチャマン⇒ヤッターマン⇒ファースト・ガンダム、といった世代なので、この辺りのデザイン画を観れるのは嬉しい。MSVの背面デザインがあったのは驚き。そし…

設定変更

●契約しているケーブルテレビ会社から、一カ月以上前に通知が来ていた。内容は、会社の体制が変わってサービス内容が変わるので、お前のPCでもインターネット関連の設定を変更しやがれ、というものである。面倒くさくて放置していたけれども、もうそろそろ…

読書疲れ

●光文社文庫のミステリアンソロジーを手に取って百ページほど読む。内容はそこそこ面白いのだが、どうもこの先を読み進める気がしない。フィクションの文章を頭が受け付けない感じがする。先日、しんどいチェスタトンをちょいと頑張って読んだ反動なのか、ど…

影右衛門

●「横溝正史の『朝顔金太捕物帳』をちゃんと読む」プロジェクト。今回は第十話「影右衛門」を読む。 江戸の街で頻々と発生する両替商襲撃事件。下手人は影右衛門と名乗る怪盗で、必ず千両箱一箱だけを盗み出し、貧乏人に施して回るという。影右衛門の正体の…

『知りすぎた男』 G・K・チェスタトン 論創社

●『知りすぎた男』 G・K・チェスタトン 論創社 読了。 夢幻的な情景描写と奇妙な逆説が横溢する、まぎれもなくチェスタトン、というより、チェスタトンでしかありえない短編集。一流だから三流を装える、事件に何も関係ない点が問題、殺す動機を持っていた…

『メソポタミヤの殺人』 A・クリスティー クリスティー文庫

●『メソポタミヤの殺人』 A・クリスティー クリスティー文庫 読了。 面白かった。クリスティーってば読者をミスリードさせる手腕が抜群だから、中盤でポアロの口を借りて提示された物語の枠組みを、素直に受け入れるわけにはいかない。結末に至って、それま…

あと四か月

●いつもより一時間早起きして、始発電車でターミナル駅に向かう。ちょっとした手配をして帰宅。朝飯を喰って一眠りしてから、また出かける。 ●かつての飲み仲間が所用でこっちにくるというので、再会して昼酒をかますのである。といっても実際は至極穏便な話…

再検査

●人間ドックの再検査に行ってきた。詳細は書かないが、自覚症状は全くないし、このまま経過観察(意訳:何もせず放置)でも今すぐどうこうという危険はないそうな。そこでとりあえず今後半年間、薬を飲んで様子を見ることになってしまった。ううむ……

『図説 英国執事』 村上リコ 河出書房新社

●『図説 英国執事』 村上リコ 河出書房新社 読了。 「ふくろうの本」の一冊で、貴族をささえる執事の素顔、という副題が付いている。面白かった。内容は使用人の歴史的考察から始まって、出世の階段を登る様子、日々の仕事とプライベートの生活、主人との関…

見切りをつける

●今朝から読み始めた、ホームズネタのパロディ集がつまらない。書名は秘すが、いやもう、全くつまらん。見切りをつけて放り出し、雑学ノンフィクションを読むことにする。

『呪われた穴』 N・ブレイク ポケミス

●『呪われた穴』 N・ブレイク ポケミス 読了。 地味である。その地味さはクロフツ流の、可能性をひとつひとつ着実にたどって前進してゆく「線」の地味さではない。関係者の人物像と相互の関係とをじっくり掘り下げ、絵の具を塗り重ねるように全体の情景をじ…

竹村直伸探偵小説選

●書店に寄って本を買う。『竹村直伸探偵小説選II』 論創社論創海外は割と順調に読めているのだが、こっちの叢書は手付かずである。いい加減で読み始めなければ。 ●月初めに受診した人間ドックの詳細結果が届いた。体重、体脂肪率、腹囲の減少は喜ぶべきだ…

川鍋暁斎

●三菱一号美術館に、「画鬼暁斎」と題する川鍋暁斎の展示を観に行ってきた。狩野派を学んだ正統的な絵師でありながら、様々な技法を取り込んだ暁斎の、多彩な画業を一覧する展示である。英国人建築家で暁斎の弟子にもなったジョサイア・コンドルとの交流も、…

『八一三号車室にて』 A・ポージス 論創社

●神保町横溝倶楽部の同人誌『金田一耕助自由研究 Vol.3』を読む。興味深かったのは、かじゃま氏の「『犬神家の一族』~推敲時と雑誌連載・現行版での加筆修正について~」と、木魚庵氏の「「聾唖者口をきくの辯」について」であった。やっぱ改稿ネタにはアン…

オフ会

●川越市立博物館に、「妖怪 -闇にひそむ不可思議なるもの-」と題する展示を観に行ってきた。特別展示室一室のみで小ぢんまりと開催されており、内容は一言でいうと日本妖怪受容史、の、ダイジェスト版。特に目を見張るような物はなかったが、鳥山石燕『画…

美術館のはしご

●サントリー美術館に、「藤田美術館の至宝 国宝曜変天目茶碗と日本の美」と題する展示を観に行ってきた。明治の実業家藤田伝三郎と、その嗣子らが蒐集した美術品を所蔵する、藤田美術館という施設が大阪にあるそうな。今回はその収蔵品を展示するものである…

谷中の全生庵

●日暮里から谷中の全生庵へ。開催中の幽霊画展を観るのだ。日曜の日記に書いたように、東京藝大での後期展示分である。 伊藤晴雨の「怪談乳房榎図」が強烈。子供を抱いて滝壺からこちらを睨みつける幽霊の視線が強い。中島光村の「月に柳図」は、隠し絵の趣…

『タナスグ湖の怪物』 G・ミッチェル 論創社

●『タナスグ湖の怪物』 G・ミッチェル 論創社 読了。 「第八章 目撃」の描写にはびっくりした。突拍子もない内容を終始平坦に描く奇妙な作品。巻末解説で、この作家は読者を選ぶとあるが、どうやら私は選ばれなかったようだ。どのように面白がればいいのか…

『島久平傑作選』 河出文庫

●『島久平傑作選』 河出文庫 読了。 一冊通読してみて、島久平の人情味の勝った作風はあまり好みでないと分かった。だがその点は重要ではない。重要なのは、そもそも島久平を読める、という点である。それまで読むのが著しく困難だった作家を、手軽な文庫で…

冥途のみやげ

●東京藝大美術館に、「うらめしや~、冥途のみやげ」展と題する、幽霊画の展示を観に行ってきた。伝丸山応挙の絵を観れたのがよかった。 鈴木誠一の「雪女図」が面白い。微妙な濃淡だけでなんとはなし人型のようなものを朧に描き、空に舞う雪片に見紛うよう…

サボリがち

●午前中は野暮用。 ●午後はジムに行くつもりだったが、午前中の用事で気力が尽きて、サボる。先月ジム通いを頑張った反動か、今月はなにかとサボリがちである。 ●ふらりと昼飯に入った隣町の中華屋で、誂えた定食がてんこ盛りで満腹。これではカロリー過多で…

『赤き死の香り』 J・ラティマー 論創社

●『赤き死の香り』 J・ラティマー 論創社 読了。 なかなかの秀作。展開はハードボイルド系ミステリの型通りで、ウイスキーと美女、ナイトクラブとギャング、カーチェイスと銃撃戦、といったもの。主人公のキャラクターがだらしなくて面白く、女性の同僚との…

だれがダイアナ殺したの?

●hontoに注文していた本が届いた。『リモート・コントロール』 H・カーマイケル 論創社『だれがダイアナ殺したの?』 H・ヘクスト 論創社『だれがダイアナ~』は、創元推理文庫版があるから買わなくてもよかったんだけど……

チケットショップ

●三回使い残した「18きっぷ」をチケットショップに持って行った。一回当たり二千円、トータル六千円で買い取ってもらった。想像より高くて満足。もちろんこの結果は今日この場限り。時期と店とで買い取り価格は変動するはずである。

『探偵術教えます』 P・ワイルド 晶文社

●『探偵術教えます』 P・ワイルド 晶文社 読了。 前半はいまいち。勝手に事件が解決してしまう展開には、「どうせ作者が上手くいくように書いているから上手くいくんでしょ感」がつきまとう。例外的に面白かったのは「P・モーランと放火犯」で、悪人の計画…

人間ドック

●年に一度の人間ドックに行ってきた。前年に比べ、体重は四キロ減、腹囲は七センチ減であった。なかなか順調に減量できている。本格的に痩せ始めたのは、六月に体重と体脂肪率とのグラフを作り始めてからのことだが。 そして今年のキモは生涯二度目の、鼻か…

『チェンジリング』

●午前中は近所のコーヒーショップにでかけ、某同人誌向け原稿の修正作業。 ●午後からレンタルDVDで『チェンジリング』を観る。血しぶきなし、モンスターなし。話の展開で盛り上げる正調ゴースト・ストーリーである。そもそも、引っ越してきた古屋敷で怪現…

『ポッターマック氏の失策』 A・フリーマン 論創社

●『ポッターマック氏の失策』 A・フリーマン 論創社 読了。 面白い。フリーマンってばこんなに面白かったのか。まるでクロフツのような味わいである。いわゆる倒叙ミステリで、犯罪とその隠蔽工作、そしてソーンダイク博士の調査を、堅実に着実に地道に描く…