累風庵閑日録

本と日常の徒然

2016-07-09から1日間の記事一覧

『蘭郁二郎集 魔像』 ちくま文庫

●『蘭郁二郎集 魔像』 ちくま文庫 読了。 前半はあまり作者の個性を感じられなかった。奇癖に執着して破滅する男だの、振られた女に執着して奇怪な殺人を犯す男だの、作品の多くが戦前探偵小説のある種典型である。そのなかで、怪談仕立ての「穴」と、ちょっ…