累風庵閑日録

本と日常の徒然

2016-07-01から1ヶ月間の記事一覧

九つの解決

●昼飯はシーズン初の素麺。何の変哲もない素麺の滋味がたまらん。本当は二把湯掻きたかったのだが、カロリーを考えて一把で自重した。でも、喰ってみると一把で結構満腹に。もはや二把イケる歳ではないということか。 ●hontoに注文していた本が届いた。…

半分まで

●ちくま文庫の日影丈吉を半分まで読む。残りは後日に。幻想譚と理に落ちるミステリとを取り混ぜて、ねっとりとした文章で綴る短編集。一昨年読んだ出版芸術社の『恐怖博物誌』とかぶる収録作もあるが、再読しても面白さは減らないようだ。

風流女相撲

●「横溝正史の『左門捕物帳』をちゃんと読む」プロジェクト。今回は第二話「風流女相撲」を読む。 発端は奇天烈で魅力的。女相撲の大関が、毒を盛られて、刺されて、手拭いで首を絞められて殺されたという。だがページ数の関係か、展開はなんともあっけない…

『青い外套を着た女』 横溝正史 角川文庫

●朝目覚めたらまたひとっ風呂。低温だからずっと浸かってられる。朝飯を美味しくいただいて、チェックアウト。今度は甲府回りで帰宅。ううん、ここはいい。再訪したい場所がまた増えてしまった。 ●旅のお供に横溝正史。『青い外套を着た女』 横溝正史 角川文…

休暇で温泉

●関係各方面とのスケジュール調整の結果、休暇を取るのが平日ど真ん中、火曜水曜になってしまった。そうなったらなったで、せっかくの休暇を積極的に有効活用したい。「18きっぷ」を使って温泉に行ってきた。 東海道を電車でかっ飛ばし、富士駅に着いたの…

『シャーロック・ホームズの大冒険(下)』 M・アシュレイ編 原書房

●『シャーロック・ホームズの大冒険(下)』 M・アシュレイ編 原書房 読了。 上巻は去年読んだ。ホームズ・パスティシュ集だが、いかにも本物のホームズ譚らしいと思える作品は案外多くない。ついつい独創性を発揮しすぎたり、ホームズ・トリヴィアを少々盛…

横溝正史探偵小説選V

●午前中は野暮用。 ●帰宅してシャワーを浴びて、また出かける。午後から、神保町の東京堂書店で開催されるトークイベントに行くのだ。だがまずはその前に、同店で先行発売されている『横溝正史探偵小説選V』 論創社 を購入。素晴らしい。 ●イベントは大変面…

『鍵のない家』 E・D・ビガーズ 論創社

●『鍵のない家』 E・D・ビガーズ 論創社 読了。 安心して読める秀作。起伏が少ないけれど高め安定で、次々と新情報が提示されて中だるみしない。結末もちゃんとミステリらしい趣向になっており、読んで満足。多くの手掛かりから推理を積み重ねて犯人を導く…

我が屍に化粧する

●お願いしていた本が届いた。『我が屍に化粧する』 倉田啓明 盛林堂ミステリアス文庫盛林堂さんは相変わらず活動が活発で、喜ばしいことである。

『第三の銃弾[完全版]』 C・ディクスン ハヤカワ文庫

●『第三の銃弾[完全版]』 C・ディクスン ハヤカワ文庫 読了。 不可能状況がこれでもかと上乗せされてゆく序盤が大変に面白い。多くのデータをいちいち拾って、異常な事件の真相をきっちり再現してみせる終盤の展開がお見事。ただ、真相としての物語を丸ご…

『古都に棲む鬼女』 風見潤 ソノラマ文庫

●『古都に棲む鬼女』 風見潤 ソノラマ文庫 読了。 丁寧に書かれた作品。背景となる歌舞伎の基礎知識を要領よく読者に伝えているし、細かな伏線も用意してある。犯人を限定するための、登場人物の配置や周辺環境の描写、そして小道具の使い方も、なるほどと思…

赤い赤の中の水泳着の女

●とあるデータ整理作業のために、横溝正史の短編「赤の中の女」を流し読み。ついでに、原型版である「赤い水泳着」も読んでみる。さらに、クリスティーの「火曜クラブ」中の一編「(伏字)」にまで手を伸ばす。以前オフ会で「赤い水泳着」との類似を教えてい…

『魔人』 金来成 論創社

●『魔人』 金来成 論創社 読了。 これは面白いぞ。全身緋色の魔人が跳梁するスリラーで、乱歩作品からの強い影響がうかがえる。魔人が孔雀夫人の動静を逐一手紙に書いてよこすところなんざ、まるで「陰獣」である。怪奇趣味もあるし、不可能興味もあるし、過…

休止して仕切り直し

●次に読むつもりの本が五百ページあって、平均的な読書ペースだと四日はかかる。その長さを考えるだけでちょいとしんどくて、二の足を踏んでいる。今日はいったん読書を休止して、気持ちを仕切り直すつもりでレンタルDVDの映画を二本観た。 ●最近カレー欲…

『蘭郁二郎集 魔像』 ちくま文庫

●『蘭郁二郎集 魔像』 ちくま文庫 読了。 前半はあまり作者の個性を感じられなかった。奇癖に執着して破滅する男だの、振られた女に執着して奇怪な殺人を犯す男だの、作品の多くが戦前探偵小説のある種典型である。そのなかで、怪談仕立ての「穴」と、ちょっ…

灯火管制

●書店に寄って本を買う。『灯火管制』 A・ギルバート 論創社『守銭奴の遺産』 E・フィルポッツ 論創社

ナイチンゲール

●論創社のサイトで、『横溝正史探偵小説選V』の目次が発表された。個人的目玉は、「博愛の天使 ナイチンゲール」だっっ!!! よくぞやってくれました。そしてもう一つ注目なのが、「探偵小僧」である。もちろん松野一夫の挿絵付き。この作品は挿絵あってこ…

戦後未収録中短編集3

●投票。 ●お願いしていた私家版の本が届いた。『戦後未収録中短編集3』 フリーマン 湘南探偵倶楽部

『太陽に向かえ』 J・L・バーク 論創社

●『太陽に向かえ』 J・L・バーク 論創社 読了。 ハードな味わいの、少年の成長物語。ミステリ味が極めて薄い。この手の小説は全く守備範囲外である。ノワールってのはこういう感じなのだろうか。知らんけど。ともかくも最後まで読ませるだけの魅力はあった…

『運河の追跡』 A・ガーヴ 論創社

●『運河の追跡』 A・ガーヴ 論創社 読了。 素晴らしいテンポのよさで、すいすい読める。金曜まで読んでいたチェホフのまだるっこさと比べるのは意味がないのだが、それでもつい比べてしまう。いろいろ野暮用があって読了するのに二日かかったけれども、読書…

『チェホフ/ドゥーセ』 東都書房

●『チェホフ/ドゥーセ』 東都書房 読了。 世界推理小説体系の第五巻である。ドゥーセの「スミルノ博士の日記」は先日読んだので、今回は読み残していたチェホフ「狩場の悲劇」を読んだ。いやはやどうにも、しんどいことしんどいこと。本を持ち歩くのが重く…