累風庵閑日録

本と日常の徒然

2018-07-01から1ヶ月間の記事一覧

総括

●今月の総括。買った本:六冊読んだ本:十冊あまり買っていないつもりでも、いつの間にか本が増えてしまう。

『江戸川乱歩と13人の新青年<文学派>編』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫

●『江戸川乱歩と13人の新青年<文学派>編』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫 読了。 前巻『<論理派>編』と同様に、既読が多い。でも、再読は再読で初読とはまた味わいが違うのだ。収録作は全部読む。 大下宇陀児「情獄」は、中盤のサスペンスが強烈だし…

ちょいとでかける

●この土日で、JRの「18きっぷ」を使ってちょいとでかけてきた。昔の飲み仲間と再会し、彼の車で日帰り温泉へ。猛暑が一段落した今、涼しい風に吹かれながら浸かる露天風呂はまた格別である。その後街に戻って、飲んだくれる。 ●ここ数年気力体力が衰え始…

横溝正史が手掛けた翻訳を読む

●横溝プロジェクト「横溝正史が手掛けた翻訳を読む」の第二回をやる。 ◆カール・ヂ・ホッジス「狐と狸」(大正十四年『新青年』) 大西洋横断汽船に乗り合わせた、三人の宝石泥棒。どうやら全員が、ジャガーノートのダイヤモンドとやらを狙っているらしい。…

『達磨峠の事件』 山田風太郎 光文社文庫

●『達磨峠の事件』 山田風太郎 光文社文庫 読了。 「PartI」拾遺短編表題作は、こんなオーソドックスなミステリを書いていたというのが意外。「天誅」は再読だが、何度読んでも強烈な怪作かつ傑作。 「PartII」ショートショート気に入った作品を題名だけ挙げ…

英国怪談珠玉集

●書店に寄って本を買う。『英国怪談珠玉集』 南絛竹則編訳 国書刊行会『エラリー・クイーンの冒険』 E・クイーン 創元推理文庫 クイーンは作品を読むだけなら買わなくてもよかったんだけれども、先日読んだシナリオ集が面白かったので、勢いで買ってしまっ…

『犯罪コーポレーションの冒険』 E・クイーン 論創社

●『犯罪コーポレーションの冒険』 E・クイーン 論創社 読了。 ラジオドラマシナリオ集の第三弾である。どれも読ませる快作揃いだが、特に気に入ったのは以下の作品。丁寧に伏線が散りばめられている「暗闇の弾丸の冒険」、シンプルで決定的な手掛かりの「カ…

『猟人日記』 戸川昌子 出版芸術社

●『猟人日記』 戸川昌子 出版芸術社 読了。 この冒頭でこの展開からすると……と考えているうちに、真相に気付いてしまった。こういう趣向は嫌いじゃないから読後感は良いが、素直に驚かされた方がこの作品を何倍も楽しめただろう。罠にかける者かけられる者、…

『久山秀子探偵小説選IV』 論創社

●『久山秀子探偵小説選IV』 論創社 読了。 梅由兵衛捕物噺がやけに面白い。傑作! というような意気込んだ面白さではないけれども。なにしろ長くても二十ページほどの作品ばかりだから、複雑な謎を仕掛けたり延々と推理を語る場面を描いたりはできない。ち…

由利・三津木探偵小説コレクション

●ツイッター経由の情報だが、「横溝正史ミステリ短篇コレクション」全六巻を出した柏書房から、「由利・三津木探偵小説コレクション」全四巻が刊行されるそうで。角川文庫未収録作品や中絶作品も収録されるというから、素晴らしいことである。刊行開始はこの…

『十人の小さなインディアン』 A・クリスティー 論創社

●『十人の小さなインディアン』 A・クリスティー 論創社 読了。 表題作の原作小説を読んだのは三十年以上昔のことになるが、さすがの歴史的名作で印象が強く、今でも内容をぼんやり覚えている。結末のバリエーションも知っている。つまり、意外性もこの先ど…

『フレンチ警部最大の事件』 F・W・クロフツ 創元推理文庫

●『フレンチ警部最大の事件』 F・W・クロフツ 創元推理文庫 読了。 安心安定のクロフツ印。押さえるべきポイントをひとつひとつ確認してゆく、地を這うような地道な捜査がなんとも面白い。フレンチ警部初登場の作品である。題名の通り、それまでの警察人生…

春風コンビお手柄帳

●取り寄せを依頼していた本が届いたので受け取ってきた。『春風コンビお手柄帳』 小沼丹 幻戯書房買ったのは「推理篇」である。「青春篇」はパス。 ●昨日の読書会の音声ファイルを日記に落とし込む作業に、やけに時間がかかってしまった。

第五回横溝正史読書会

●第五回横溝正史読書会が開催された。課題図書は中編「黒猫亭事件」である。会場は浅草の昭和モダンカフヱ&バー「西浅草黒猫亭」さんで、このために貸し切り。参加者は幹事さん司会者さん含め総勢十二人で、しかも読書会初参加のお方が三名もいらっしゃる。…

『M・R・ジェイムズ怪談全集2』 創元推理文庫

●『M・R・ジェイムズ怪談全集2』 創元推理文庫 読了。 第一巻に続いて、まったくもって面白い。読者の想像を刺激しつつじわじわと不安感を高めてゆく書きっぷりが、安定の素晴らしさである。ただ第二巻は拾遺集の要素もあって、少々低調な作品も混じって…

一ヶ月

●ジム通いを再開して一ヶ月。持ち上げられるウェイトがちょっとだけ重くなったのが、成果と言えば成果である。サボり始める前、去年の八月の水準にはまだ戻っていないけれども。長期サボりの影響は甚大である。 毎朝体重と体脂肪率とを測ってグラフにする作…

『大庭武年探偵小説選I』 論創社

●『大庭武年探偵小説選I』 論創社 読了。 なかなかの快作。戦前に、大阪圭吉以外でこんな、推理の面白さを基調とするミステリが書かれていたとは驚き。巻末解題によれば、その作品は過去に編まれたアンソロジーにしばしば採用されているそうで。挙げられて…

犯罪コーポレーションの冒険

●書店に寄って本を買う。『飛鳥高探偵小説家IV』 論創社『十人の小さなインディアン』 A・クリスティー 論創社『犯罪コーポレーションの冒険』 E・クイーン 論創社クリスティーとクイーンとをぴかぴかの新刊で買うなんてまったく凄い状況だし、三冊合計…

『黒岩涙香探偵小説選II』 論創社

●『黒岩涙香探偵小説選II』 論創社 読了。 収録作品中では、やはりロジックの面白さを前面に出したものが好みである。それはつまり「紳士の行ゑ」、「血の文字」、「帽子の痕」の三編で。前二編はどちらも外連味はないが、着実地道に捜査を進めてゆく過程…

原作特定

●昨日の人形佐七映画の件。過去の日記やなんかを確認してみると、閲覧したシナリオの中に原作が特定されているものがいくつかあることに気付いた。「映画題名」⇔「原作題名」としてここに記しておく。 「血染めの肌着」⇔「からくり屋敷」「般若の面」⇔「風流…