累風庵閑日録

本と日常の徒然

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

百本杭の首無死体

●書店に寄って、取り寄せを依頼していた本を受け取ってくる。 『百本杭の首無死体』 泉斜汀 幻戯書房 ●本が届いた。 『千両文七捕物帳 第一巻』 高木彬光 捕物出版 『千両文七捕物帳 第二巻』 高木彬光 捕物出版 『死の隠れ鬼』 J・T・ロジャーズ 別冊Re…

『蒼井雄探偵小説選』 論創社

●『蒼井雄探偵小説選』 論創社 読了。 短めの作品はネタに対してページ数が少なすぎるようで、どうも舌足らずなものが多かった。気に入った作品としてはまず、情景が恐ろしい「執念」。 「霧しぶく山」を読むのは三度目。どこかで読んだような真相にはあまり…

フランス鍵の秘密

●いろいろ調整して、日曜月曜という変則的な日程で秋田に行ってきた。通常は旅客列車が運行されない秋田港付近の貨物路線に、特別の臨時列車が運行されるというので、乗りに行ったのである。 ●それにしても、久しぶりに行く秋田は遠い。関東から出かけるとす…

眺海の館

●午前中は野暮用。午後からジムに行く……つもりだったが、気分が乗らずサボってしまう。今月はジム通いが低調である。。 ●お願いしてた本が届いた。 『眺海の館』 R・L・スティーヴンソン 論創社 今回の論創海外は一冊だけなのか、それとも後で出るのか。

『ポドロ島』 L・P・ハートリー 河出書房新社

●『ポドロ島』 L・P・ハートリー 河出書房新社 読了。 作品の多くが夢だの幻覚だの妄想だのを扱って、複数の解釈が成り立つ曖昧な結末に至る。一編だけならそれもまた一興であるが、似た傾向ばかり続くと飽きてくる。もっとはっきり書かんかい、と思ってし…

ミス・ピンカートン

●お願いしていた本が届いた。 『ミス・ピンカートン』 M・R・ラインハート ヒラヤマ探偵文庫 ●昨日の日記で、現在予約中・注文中の本が四冊あると書いた。上記の本がそのうちの一冊である。その後某所から連絡をいただいて、さらに二冊注文中だったことを…

首のない女

●取り寄せを依頼していた本が届いたというので、受け取りのために書店に寄る。ついでに別の新刊も購入。 『思考機械 完全版 第2巻』 J・フットレル 作品社 『首のない女』 C・ロースン 原書房 ●注文していた本が届いた。 『仮面城』 大下宇陀児 東都我刊…

『横溝正史翻訳コレクション 鍾乳洞殺人事件/二輪馬車の秘密』 ウィップル/ヒューム 扶桑社文庫

●『横溝正史翻訳コレクション 鍾乳洞殺人事件/二輪馬車の秘密』 ウィップル/ヒューム 扶桑社文庫 読了。 横溝プロジェクト「横溝正史が手掛けた翻訳を読む」の第十四回として、「二輪馬車の秘密」を読んだ。同時収録の「鍾乳洞殺人事件」は先月の第十三回…

『殺す・集める・読む』 高山宏 創元ライブラリ

●『殺す・集める・読む』 高山宏 創元ライブラリ 読了。 「推理小説特殊講義」という副題が付いている。こいつは手強い。私の読解力では少々手に余る。さあて、全体の三~四割くらいは理解できただろうか。理解できたと思い込んでいる部分については、興味深…

『密室殺人』 R・ペニー 論創社

●『密室殺人』 R・ペニー 論創社 読了。 何者かが陰湿ないたずらを繰り返す展開は、どうも好みではない。本筋の事件がなかなか起きず、じれったい。読了してみると、満足感はまずまず。読者への挑戦が挿入されているのも、そしてその設問も、ちょいと気が利…

『古書ミステリー倶楽部』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫

●『古書ミステリー倶楽部』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫 読了。 甲賀三郎「焦げた聖書」は、解決部分の荒っぽさが笑ってしまうほど。けれど解決に至るまでの、謎がどんどん広がってゆく展開はなかなか読ませる。二木悦子「倉の中の実験」は、二十年後…

カラオケに突入

●昨晩、とある飲み会の流れで朝までのカラオケに突入した。そんな遊びをやっていい年齢ではないんだけども。おかげで今日は半日使い物にならず。本を少しだけ読む。

『世紀の犯罪』 A・アボット 論創社

●『世紀の犯罪』 A・アボット 論創社 読了。 五年前、黒白書房版を湘南探偵倶楽部の復刻本で読んだときは、あまりいい印象を持たなかった。会話が直訳調でぎこちなく、そういった個所に出くわすたびに気持ちが醒める。その点、今回の新訳は安心して読めた。…

『大下宇陀児探偵小説選I』 論創社

●『大下宇陀児探偵小説選I』 論創社 読了。 メインの長編「蛭川博士」は、なかなかの快作であった。前半は、殺人事件の地道な捜査と不良少年達の騙しあいとが並行して語られる。錯綜する展開は、ページをめくらせる力十分である。中盤になると、主人公の探…

『悪女パズル』 P・クェンティン 扶桑社ミステリー

●『悪女パズル』 P・クェンティン 扶桑社ミステリー 読了。 こいつは傑作。次々と起きる、動機不明の殺人。展開の速さと起伏の大きさとで、物語がぐいぐい進む。結末の意外性は(伏字)てしまうダイナミックなもので。この犯人にしてこの犯罪あり。真相が明…

『誰そ彼の殺人』 小松亜由美

●『誰そ彼の殺人』 小松亜由美 幻冬舎 読了。 収録の四編のうち、三編は初出誌で読んでいる。今回はその時の感想をほぼそのまま再録する。 「恙なき遺体」 現役の解剖技官でなければ書けない、様々なディテイルが実に面白い。だが、それはあくまで装飾として…

幻の探偵作家を求めて

●書店に寄って本を買う。 『幻の探偵作家を求めて 完全版 上』 日下三蔵編 論創社 『フラックスマン・ロウの心霊探究』 E&H・ヘロン アトリエサード 『幻の探偵作家を求めて』は元版が手元にあるのだが、「完全版」と銘打たれていたのでは買わずばなるま…

『守友恒探偵小説選』 論創社

●『守友恒探偵小説選』 論創社 読了。 収録作中のベストは「死線の花」で、複数のネタを少ないページに盛り込んだ高密度の良品であった。結末の切れ味と、そこに漂う抒情性も買う。他に気に入ったのは、語り口が軽快な「燻製シラノ」と、構成がしっかりして…