累風庵閑日録

本と日常の徒然

2021-10-01から1ヶ月間の記事一覧

或る光線

●注文していた本が届いた。『或る光線』 木々高太郎 盛林堂ミステリアス文庫 ●今月の総括。買った本:十一冊読んだ本:十冊

更新しない

●今日から上中下三巻本の長編を読み始める。私のペースだと読了までに一週間はかかるだろう。読了日記は来週半ばまで更新しない。 ●定期でお願いしている本が届いた。『<アルハンブラ・ホテル>殺人事件』 I・オエルリックス 論創社

『ブルクリン家の惨事』 コール 新潮文庫

●『ブルクリン家の惨事』 コール 新潮文庫 読了。 老富豪の誕生パーティーのために屋敷に集まった人々。参加者の前で老人の遺言の内容が発表された翌日、二件の殺人が発覚する。なんとまあ、典型的な展開である。典型好きとしてはもうこれだけで嬉しい。しか…

『怪盗ニック全仕事3』 E・D・ホック 創元推理文庫

●『怪盗ニック全仕事3』 E・D・ホック 創元推理文庫 読了。 それぞれが完全に独立した短編ではなく、シリーズの大きな流れの中で設定がゆったりと変化していっている。全仕事として通して読むと、そういった面も楽しめる。東京創元社さんはいい物を出して…

『温泉めぐり』 田山花袋 岩波文庫

●『温泉めぐり』 田山花袋 岩波文庫 読了。 今後温泉旅行に行くときの参考にはなりそうもない。なにしろ初刊が大正七年で、時代が大きく異なっている。それに伴って環境も激変しているはずである。道路も交通機関も、なにより温泉地そのものも。当時は実用的…

『クレタ島の夜は更けて』 M・スチュアート 論創社

●『クレタ島の夜は更けて』 M・スチュアート 論創社 読了。 軽ハードボイルドという分類がある。さしずめ本書は軽サスペンスだろう。主人公を少年少女にして多少のアレンジを加えれば、ほぼそのままジュブナイルミステリになりそうな軽い味わいである。 つ…

「改造社の『ドイル全集』を読む」プロジェクト第十八回

●「改造社の『ドイル全集』を読む」プロジェクトの第十八回として、引き続き第四巻を読んでゆく。今回は、医者とその周辺とを題材にした短編集「紅き燈火を繞りて」から、九編を読む。全十五編のうちの九編だが、前半は短い作品が多いので分量としてはほぼ半…

第八回オンライン横溝正史読書会『怪獣男爵』

●第八回オンライン横溝正史読書会を開催した。課題図書は『怪獣男爵』で、昭和二十三年に偕成社から書き下ろし刊行されたジュブナイルである。参加者は私を含めて九名。募集開始の告知からわずか数時間で枠が埋まるという、大変な盛況であった。 今回はツー…

『駅猫』 上田廣 大正出版

●『駅猫』 上田廣 大正出版 読了。 鉄道ミステリ六編を収録した個人短編集。主要登場人物が鉄道の職員だし、主な舞台が鉄道業界だったりするので、いわゆるトラベルミステリとはちと違う。 多くの作品に、どうも荒っぽく思える部分が見受けられる。だが、欠…

「おれは二十面相だ!!」

●光文社文庫の江戸川乱歩『怪人と少年探偵』を、年明けくらいまでかけて細切れに読んでいくことにする。今日は「おれは二十面相だ!!」を読んだ。普通のミステリなら、奇怪な事件の真相が(伏字)てえのは腰が抜けそうになるところだが、少年探偵団シリーズ…

『殺しにいたるメモ』 N・ブレイク 原書房

●『殺しにいたるメモ』 N・ブレイク 原書房 読了。 巻末解説によれば、この作品が長らく翻訳されなかったのは質とは無関係で、日本の翻訳のタイミングとずれたためであろうとのこと。全く頷けることである。実にもう、しんどくなるくらいロジックてんこ盛り…

『シャーロック・ホームズの紫焔』 長沼弘毅 文藝春秋

●『シャーロック・ホームズの紫焔』 長沼弘毅 文藝春秋 読了。 私の興味如何によって、面白く読めた章とそうでもない章とにはっきり分かれた本であった。第三章「ホームズと煙草」は、煙草に関する雑学が興味深い。第四章「タイヤの問題」は、作中の記述から…

『赤いランプ』 M・R・ラインハート 論創社

●『赤いランプ』 M・R・ラインハート 論創社 読了。 読んでいてストレスの溜まる作品であった。素人が他人に読ませることを想定せずに書いた日記という設定なので、意図的にこういう書き方をしたのだろうか。読者に情報を伝えるのになんでまたこんな(伏字…

『蝋人形館の殺人』 J・D・カー 創元推理文庫

●『蝋人形館の殺人』 J・D・カー 創元推理文庫 読了。 解明に至る展開として、(伏字)ているのがちと期待と違ったけれども、犯人はかなり意外。そして、物証を犯人に結び付ける流れがお見事。読者が同じ手順を踏んで犯人にたどり着けるとは思えないけれど…

『死者の長い列』 L・ブロック 二見文庫

●『死者の長い列』 L・ブロック 二見文庫 読了。 奇妙なクラブにまつわる奇妙な依頼が、主人公マット・スカダーのもとに持ち込まれた。犯罪かどうかすら分からない雲をつかむような依頼に対して、地道な捜査活動を続けるスカダー。やがて異常ともいえる状況…