2024-11-01から1ヶ月間の記事一覧
●今月の総括。買った本:十冊読んだ本:十三冊 読む方がちょいと好調であった。
●『チェスプレイヤーの密室』 E・クイーン 原書房 読了。 「エラリー・クイーン外典コレクション」の第一巻である。著者表記こそエラリー・クイーンだが、実際の著者はジャック・ヴァンスだそうで。内容や文章については、マンフレッド・リーが入念にチェッ…
●国会図書館デジタルコレクションから以下の二点をダウンロードした。『左一平捕物帳』 横溝正史 奥川書房『古城の秘密 前篇』 三津木春影 武侠世界社 ●本を買う。『暗黒公使』 夢野久作 春陽文庫『女人果』 小栗虫太郎 春陽文庫
●『花暦八笑人』 瀧亭鯉丈・他、興津要・校注 講談社文庫 読了。 能楽者の仲良し八人組が、それぞれ順番に茶番劇を企画して世間のウケを狙うも、毎回失敗してとんだ目に遭うという連作集。実際は四編出した後に鯉丈が死去し、他の作者が第五編を書き継いだが…
●倉敷市の毎年のイベント「1000人の金田一耕助」に参加してきた。それはいいのだが、初っ端から軽いトラブル発生。土曜の朝、新幹線が遅れてオープニングに間に合わなくなった。少々焦ったけれども、運営殿が集合場所から撤収する前には到着できて、結果…
●『欲得ずくの殺人』 H・ライリー 論創社 読了。 殺人事件を扱ったロマンス小説、あるいはロマンスで味付けした軽ミステリ。ミステリ風味もロマンス風味も濃くはない。二百ページしかない分量だし、総じてとにかく薄味であった。ただ、薄味なのは私の感受性…
●『魔の怪』 志村有弘編 勉誠出版 読了。 「べんせいライブラリー ミステリーセレクション」の内の一冊である。巻数表記はないが、全六巻の構成になっている。本書には六編収録されており、半数が既読であった。その中では村山槐多「悪魔の舌」が、一歩抜き…
●『幻想三重奏』 N・ベロウ 論創社 読了。 謎の設定がとにかく強烈で、その魅力で引っ張ってゆく。読むにあたっては、伏線やロジックの評価はいかに、ミステリとしての出来栄えはどうか、なんて視点を取っ払った方がいいようだ。(伏字)だなんて犯人像はあ…
●『アガサ・クリスティーの秘密ノート』 A・クスティー&J・カラン クリスティー文庫 読了。 上下巻七百ページ超の大物である。内容は、クリスティーがノートに書き残した、創作に当たって試行錯誤した痕跡を解析したもの。マニア向けの本である。各作品の…
●『巨匠の選択』 L・ブロック編 ポケミス 読了。 ローレンス・ブロック本人を含む九人の人気作家が、自作と他の作家の作品とからそれぞれお気に入りを一編ずつ選んだという趣向のアンソロジー。どうも、私の趣味とはあまり合わなかった。犯罪小説や、犯罪を…
●上下巻の長大なノンフィクションの上巻だけ読み終えて、ひとまず中断する。申し訳ないがあまり面白くないし、中断しても差し支えない内容だし。感想は後日通読してから。口直しにフィクションを読みたくなった。明日からミステリのアンソロジーでも手に取る…
●『七人の女探偵』 山前譲編 廣済堂ブルーブックス 読了。 「七人の名探偵シリーズ」の第三巻である。残念ながらコメントを付けたい作品は多くない。小泉喜美子「握りしめたオレンジの謎」は、ダイイングメッセージそのものよりも関連情報の扱いにちょっと感…
●『五枚目のエース』 S・パーマー 原書房 読了。 殺人犯の死刑が、近いうちに執行される予定である。だが、どうやら彼は冤罪で、他に真犯人がいるらしい。探偵役のヒルデガード・ウィザーズは、刑の執行前に真犯人を見つけるべく奔走する。とまあ、典型的な…
●『赤い密室』 鮎川哲也 出版芸術社 読了。 名探偵星影龍三全集の第一巻である。「消えた奇術師」と「妖塔記」とは、悪くはないのだがなにしろ二十ページしかなく、どうにもあっけない。やはりこういうタイプのミステリは、ある程度描写と情報とを積み重ねて…