●ジョナサンでモーニングを喰い、本を読む。いい加減なところで区切りをつけ、いったん帰宅。車を置いて再び出かけ、電車に乗って街に出る。別に用事はない。少し街を歩いて早めの昼飯を喰い、ついでにビールも飲む♪
ブックオフを覗き、角川横溝の非金田一物を三冊買う。オフ会での放出本にする。
●帰宅して昼寝してから、また読書。
『私家版』 J=J・フィシュテル 創元推理文庫 読了。
面白かった。輝かしい脚光を浴びる人気作家。その陰で彼の著作の出版にたずさわってきた出版社社長。この社長が主人公で、人物造形が読みどころ。作家とは若い頃からの知り合いである。当時から圧倒的な個性の持ち主だった作家に対して、幼さ故に抱いた妬みと憎しみと英雄崇拝。そしてまた、幼さ故の劣等感や自己憐憫。そんなこんなの負の感情を、いい歳こいた今でも後生大事に抱え込み、心の内奥でぐずぐずに発酵させてがんじがらめになっている。そんな面倒臭いおっさんについうっかり感情移入してしまうと、後半に動き出す復讐譚に、それいけやれいけどんといけ、ってな気持ちになってしまう。そしてこの復讐は、解放と再生の物語でもあるのだ。頑張れおっさん、という気になる。
●hontoに注文していた本が届いた。
『被告人、ウィザーズ&マローン』 S・パーマー&C・ライス 論創社
『恐怖の島』 サッパー 論創社
●初めに酢味噌ありき。酢味噌は烏賊と共にあり、酢味噌はタレであった。
ふと酢味噌、というキーワードが頭に浮かんだので、今晩の肴は烏賊と若布のヌタを作る。他にじゃが芋を出汁醤油で煮たのと、甘唐辛子を焼いたの。
味噌に混ぜる材料は、出汁と味醂と砂糖と黒酢。戻した若布とさっと湯掻いた輪切り烏賊を和える。甘唐辛子というのは、まさしく唐辛子の形をそのまま大きくした二十センチほどのシロモノで、初めて見るので好奇心で買ってみた。胡麻油でゆっくり炒めて醤油をちらり、熱々を齧ると、ううん、ピーマンだね。京都旅行で味わった万願寺唐辛子を思い出す。
こいつらを肴に、純米吟醸をようく冷やしてちびちびやる。
●烏賊を捌いたあとの肝に、塩をたっぷり振って冷蔵庫に入れる。何年か前の旅行で、弘前の居酒屋で出くわした烏賊肝の塩辛がやけに旨かったのをふと思い出したので、やってみようと思う。
●昼酒をかまし、昼寝をし、面白い本を読んで、旨い酒を飲む。全くもって充実した休日で、ありがたいことである。