累風庵閑日録

本と日常の徒然

横溝調査活動

●久しぶりに横溝正史関連の調査活動をする。対象は金田一ものの「女シリーズ」だ。先日『金田一耕助の帰還』を少し読んだとき、解決編である最終章のあまりの簡素さにびっくりした。そんなもんだったっけ?と角川文庫の『金田一耕助の冒険』をぱらぱらやると、作品によって最終章の長さに結構ばらつきがある。もしかして、初出から文庫までの間に改稿されているのではなかろうか。

六月末の横溝オフの時に、この疑問を某氏に尋ねると、改稿されているとおっしゃる。これはやはり、自分で確認してみなければなるまい。そう思いながらも忙しくて心身ともにゆとりがなく、月日は過ぎて早や一月半。ようやく今日になって、国会図書館に初出誌の複写を依頼した。対象はとりあえず四作半とした。”半”というのは、「霧の中の女」の前編掲載号が欠本になっているからで。これは某施設に所蔵されていることが分かったので、別途機会を設けて複写しに行こうと思う。

●というようなことを調べていてあれっと思ったのが、「夢の中の女」の件。なんとこの作品だけ、掲載誌が違ってシリーズとは別枠なのであった。今まで初出誌なんてあまり気にしていなかったから、知らなかったよ。これはこれで初出誌のテキスト入手に苦労しそうである。

●本は新樹社の翻訳長編を読み始めた。昨日までの短編集がしんどかったので、今度はしっかりした構成の長編を読みたい。

●『ROM No.142』が届いた。年会費を振り込まなければならない。