累風庵閑日録

本と日常の徒然

『クロエへの挽歌』 M・アリンガム 新樹社

●『クロエへの挽歌』 M・アリンガム 新樹社 読了。

面白かった。間に六冊はさんで三週間ぶりに翻訳の長編クラシックミステリを読むと、ああ、やっぱりこれだこれだ、という気になる。中盤以降の展開が予想を超えてハードで、素朴な古典ではない。犯人の意外性を演出する手法がなんとも人を喰っていて嬉しい。そしてこの犯人設定だからこそ、ミステリを読んだ満足感が得られる。(伏字)という終盤の展開は、キャンピオンの”悩める名探偵”像をより深めている。

●以前買ってずっと放置していたDVD『フランケンシュタインの逆襲』を観る。まあ悪くないかな。展開に起伏のないクラシックホラーのつもりで観ていたので、B級サスペンスミステリにありそうな結末が予想外で面白かった。それにしても、医学系マッドサイエンティストの研究室描写って、妙に心を騒がせるものがある。奇妙な形のフラスコで泡立つ原色の液体、壁や天井に張られた電線、火花を散らして回転する怪しげな機械。

●昨日買った大ぶりの茄子二本パックがまだ一本余っているので、今日も炒め煮にする。昨晩と全く同じでは芸がないので、鶏挽肉を加えた。こいつを丼飯にかけてがさがさっと喰う。今晩はアルコールなし。