●いつもより一時間早起きして始発電車に乗り、ターミナル駅に向かう。ちょっとした手配をするのだ。六時に申し込みをして、結果が判明するのは十一時過ぎである。それまでの五時間をどこかで潰さなければならない。
帰って寝るのが堅実だが、とりあえず二十四時間営業のマクドナルドに腰を落ち着け、コーヒーを飲みながら本を読む。続いて最近増えてきた郊外型コーヒーショップに移動してモーニングと読書。そこから十時になって開店したショッピングビルに足を運び、書店で棚を物色。ってなことやっていると、五時間は案外早く経つ。
で、結果は完全な失敗ではないが決して満足のいくものではない。しょうがないので、明日また早起きして再度挑むことにする。
●『扉の影の女』 横溝正史 角川文庫 読了。
原型版の「扉の中の女」と比べて、人物像も相互の関係も描写が大幅に増えて読み応えがある。捜査の過程をじっくり描く作風は、いわゆる「警察小説」だの「私立探偵小説」だのといった味わいで、これはこれで面白い。
初読はたぶん三十年ほど前で、そのときはあまりな結末に唖然としたものだ。何しろ真犯人を(伏字)ているのだから。今回はそういう結末をなんとなく覚えていたので、最初から犯人当てミステリを全く期待しなかったのも楽しめた一因である。
展開といい結末といい、金田一耕助シリーズ中の異色作であろう。
●帰宅したのが昼過ぎ。一眠りして論創海外に取り掛かる。読書欲が旺盛で喜ばしいことである。
●国会図書館からお願いしていた複写文献が届いた。嬉しい。ブツは「女シリーズ」の四作品と、「霧の中の女」の解決編である。ぱらぱらっと見ただけでも、文庫版と比べて興味深い相違点がある。これから内容詳細を確認していこうと思う。