累風庵閑日録

本と日常の徒然

『エヴィー』 V・キャスパリ 論創社

●『エヴィー』 V・キャスパリ 論創社 読了。

しんどかった。実にしんどかった。あとまだこんなにあるのかと、残りページを終始数えながらどうにかこうにか読みきった。

語り手とそのルームメイト、二人の若い女性の生活が坦々と描かれる。仕事やナイトクラブや惚れたハレたといった日常が、延々と語られてゆく。途中でようやくミステリらしい事件が起こり、これから捜査の顛末に主軸が移るかとちょっと期待したがそうはならず。事件は語り手の内面を綴るための触媒にすぎないのであった。結局この物語は、多少の起伏があるものの最初から最後までずっと平板なまま。地球にエベレストやマリアナ海溝があっても全体では球であるように。

●明日からは口直しに、薄くて軽そうな本を読む。

●今日は水曜なので飲んでいい日である。肴は酢の物。蛸のぶつ切りに胡瓜のざくざく、ちょっと酢ゥ利かせた、というやつである。涼しいから、酒はぬる燗にしてみる。