累風庵閑日録

本と日常の徒然

簡略な同光社版

●昨日の飲み会での三つの失敗。
・終電近くまで飲み続けた
・日本酒に手を出してしまった
・途中であまり水を飲まなかった

おかげで今日は二日酔いで寝不足のへろへろで、終日使い物にならず。へろへろ

●「髑髏検校」のテキストを比較してみる。角川文庫版、桃源社版、第一回だけ入手できた初出版、同光社版の四点をざっと見比べてみた。角川、桃源社、初出の三点は、細かな語句の違いのほかほとんど同じである。違いというのは例えば、鯨の腹から出た瓶が初出では”ギヤマン”、それ以外のバージョンでは”ビードロ”であるなど。

大きく違っているのは同光社版で。記述が大幅に簡略化されているのである。なんとなく、初出版の簡略な記述を単行本化の際に改めて、描写を詳しく丁寧にしたのが現行版であるかのようなイメージを持っていたが、そうではないらしい。同光社版だけが特異な簡略版なのであった。角川版では約百四十ページの「髑髏検校」が、同光社版では約九十ページなのである。

この件に関してはまだまだ課題がある。途中がカットされている版があるというから、同光社版がそれに該当するのかどうかきちんと通読してみなければならない。内容なんざすっかり忘れているから、同光社版の前にまず角川版を再読しておかなければならない。どうせならこの際、ストーカーの『ドラキュラ』を再読するのも意味があるだろう。

初出版については雑誌が廃刊になって連載が尻すぼみになり、単行本収録時に改稿されたという話があるから、たとえ第一回のみの比較で現行版と近いテキストであっても、それでよしとするわけにはいかない。全体像を把握するには、連載全回分のテキストを入手しなければならない。

どなたか雑誌「綺譚」を所蔵している公共施設をご存じないでしょうか。

●今月の総括。
買った本:五冊
読んだ本:九冊
本読みの勢いが完全復活した月で、充実した読書生活であった。ありがたいことである。