●今日旨い酒を飲むために、昨日からいくら醤油漬けを仕込んでおいた。というわけで、今日は朝からいくら丼♪
だが、喰ってみると出来はイマイチ。醤油と味醂だけで仕込むと塩辛すぎて、飯と一緒にわしわし喰うには向かない。漬け汁には出汁も加えるべきであった。そして食後に果てしなく喉が渇く。
●部屋にこもって本を読む気がしなかったので、電車で二駅移動したコーヒーショップにでかけて本を読む。
『屍の記録』 鷲尾三郎 春陽堂書店 読了。
表題作は、代々の当主が失踪する本間家の呪いをテーマに、衆人環視のなかでの失踪事件を描いてなかなか魅力的なオープニングである。だが、物語構成が素直すぎて真犯人は割と早い段階で見当がついてしまう。展開としては事件の多くの部分が結末に至る前に解明されてしまって、やや盛り上がりに欠ける。事件のディテイルにまつわる真相が荒っぽくて、ちと興醒め。とまあ、決して高い点数はあげられない作品である。
ところが、である。最後になって明らかになるメインの失踪トリックは、上の段落で書いたあれこれを全て吹き飛ばしてしまうほど、異様なまでの破壊力を持つくだらなさ素晴らしさ。腰が抜け膝がカックンとなり、ミステリとしての完成度などという視点はどうでもよくなる。本気で書いたのか?と思うほどである。
同時収録の「雪崩」は、自らの欲のために次々と殺人を重ねる内縁の夫婦の物語。こういうタイプの犯罪小説は久しぶりに読んだので面白かった。
●本を読み終えたらターミナル駅に移動して、大書店で本を買う。
『鉄ミス倶楽部 東海道新幹線50』 山前譲編 光文社文庫
『幽霊紳士/異常物語』 柴田錬三郎 創元推理文庫
『中世的世界とは何だろうか』 網野善彦 朝日文庫
鉄ミス倶楽部って、まさかこの括りでシリーズ化するつもりなのだろうか。
●さらにブックオフに移動する。この店の棚に並んでいた角川横溝のめぼしい物はあらかた買ってしまったと思っていたので、念のためにと期待しないで覗いたら、結構な冊数が補充されていた。喜んで買う。これで杉本カバーバリエーションが三冊進展した。
●晩はいくらをネタに肴を作る。蒲鉾の薄切りにいくらを挟んだやつと、いくらおろし。だが、思っていたより旨くない。ときめきがない。やはりいくらは飯にぶっかけて喰うのが一番か。