累風庵閑日録

本と日常の徒然

北海道へ

●今日から北海道旅行に出かける。寝台特急北斗星」の乗り納めと、滝川発釧路行きの日本最長鈍行に乗るという、ダブルメインイベントの旅である。

●昼過ぎに電車に乗って上野に向かう。上野を夕刻七時に出る列車に対して気が早すぎるようだが、いやいや、そうではない。昼のうちは別件の目的があるのだ。上野の森美術館で開催されている、ボストン美術館葛飾北斎展を観るのである。ところがなんと、今日は臨時休館なのだそうな。あららら。

しょうがないので気を取り直して、上野動物園でも覗くことにする。ところがなんと、動物園は本日休園日なのだそうな。あららら。

しょうがないので気を取り直して、浅草に移動して神谷バーで一杯やらかすことにする。ところがなんと、神谷バーは定休日なのだそうな。あららら。

ここまでずっこけまくると、いっそ晴れ晴れとした気になる。水上バスの乗り場に近い隅田公園で、隅田川をぼんやり眺めて時間をつぶす。

●夕方に上野に戻り、ちょっとした飲み物を仕入れてから寝台特急北斗星」に乗り込む。今晩の居場所は、開放型B寝台の下段である。本当は個室の切符を取りたかったのだが、何度か切符確保にチャレンジしてもむなしく敗退するばかり。いい加減なところで妥協してしまった。

が、ものは考えようである。個室寝台はまだサンライズ出雲・瀬戸があるが、開放型寝台に乗る機会など、今後はほぼなくなる。こういうタイプの寝台の乗り納めだと考えれば、価値のあることに思えてくる。

●時刻が来て上野駅の低いホームをしずしずと走り出すと、テンションが上がる。今まで何度も通ったことのある路線なのに、このときめきはどうだ。晩飯は予約しておいたフランス料理のコース。食後は寝台に戻り、買っておいたウイスキー水割り缶をちびちびやりながらぼんやりと外を眺める。大変気分がよろしい。

いい加減なところで就寝。おやすみなさい。