「本格ミステリコレクション」の第四巻である。初期ノンシリーズ作品集成というコンセプトはそれ自体意義があると思うし、単行本未収録の作品を読めたのはよかった。だが、あまり興味を感じない幻想譚が多く、全体としてはただ読んだだけで終わってしまった。「冷凍人間」は、物語が予想外の方向に転がっていって面白かった。
この本の読了に伴い、ベースとなった河出文庫の鮎川哲也『楡の木荘の殺人』と『青いエチュード』とを”いつか読む本”の棚から取り除ける。今回の一冊と出版芸術社のアンソロジーとを読めば、それでこちらの二冊の収録作品が全てカバーできるので、読まなくていいことにする。
で、次なる課題は、出版芸術社の『鬼貫警部全事件』と『名探偵・星影龍三全集』の両シリーズをいつ読むのか?ということになるわけだ。
●横溝文献のコピー整理は考えただけで面倒臭くなって、手付かず。