●蔵書整理をしていると、入手したこと自体すっかり忘れていた意外な本が見つかって、おお、俺はこんな本を持っていたのか、と驚くことが時々ある。今回横溝文献コピーの整理に手を出して、入手したのを忘れていた意外な資料が見つかり、同じような驚きを味わった。ブツは「死仮面」の角川文庫欠落分の初出コピーと、「髑髏検校」の雑誌再録ダイジェスト版である。おお、こんな資料を持っていたのか。
前者は春陽文庫に収録されているのだが、同書は文言をいじっているので、初出からどの程度改変されているのか気になっていたのだ。後者はすっかり持っていない気になっていて、北海道の某施設に複写依頼の手紙を書くつもりだった。面倒臭くて先延ばしにしていたのが結果オーライである。
●「髑髏検校」に関しては、これで同光社『不知火奉行』収録版との比較ができる態勢になったわけだ。というより、とっくの昔に態勢が整っていたのに気付かなかったのが間の抜けた話である。だがそれをやる前にまず、「吸血鬼ドラキュラ」の再読から取り組みたい。
横溝ネタでは他に、「女シリーズ」初出と角川文庫との比較も結局手付かずだし、「蜃気楼島の情熱」初出版入手という課題もある。そもそも、未読の作品をまず読む、という大事な大事な課題がある。
●考えてみれば、こうやって趣味の領域でやりたい課題がたくさんあるってのは、幸せなことなのだろう。ありがたいことである。
●で、この”発見”に満足してしまって、肝心の具体的な整理作業には取り掛かれず。