●先日、口座を持っている銀行から連絡があった。一度金融商品の相談に来ないかという。相談という名の勧誘である、もちろん。こんな木端サラリーマンをつかまえて何をしたって銀行側のメリットはたかが知れていると思うのだが、それは先方が判断する問題である。私としては単なる好奇心で、銀行さんがどういった話を持ち出すものか、社会勉強のつもりで話を聞きに行くことにした。
●で、約束の日の今日、実際に行ってきた。話というのはNISAだの投資信託だののお決まりで、ぼんやりと想像していた通り何も得るものはなかったわけだが、銀行の別室に通されて担当者とサシで話をするなんて機会はそうそうないので、その点は新鮮で面白かった。
●銀行の帰りに書店に寄って本を買う。
『そして医師も死す』 D・M・ディヴァイン 創元推理文庫
●光文社文庫『金田一耕助の新冒険』に収録の「霧の別荘」を読む。習作というかあらすじというか、アイデアをアイデアのまま投げ出して終わるような作品である。続いて角川文庫『悪魔の降誕祭』に収録の、改稿版「霧の山荘」を読む。単なる骨格に近かった短編版にしっかりとした血肉が付いて、天晴一編の探偵小説に仕上がっている。改稿前後での内容の変化が面白い。
●そのままの勢いで「女怪」も読み、『悪魔の降誕祭』 横溝正史 角川文庫 丸一冊を読了。