●『怪奇と幻想 第二巻』 矢野浩三郎編 角川文庫 読了。
「超自然と怪物」という副題が付いている。既読作品がいくつか含まれているが、秀作は再読してもまた面白いのだ。ジョン・マーティン・リーイ「アムンゼンの天幕」とカール・ジャコビ「水槽」とは、モンスター・ホラーの秀作。ウイリアム・ホープ・ホジスン「闇の海の声」は、その嫌らしさが精神にクる。三編収録されている昆虫ネタでは、ジョン・B・L・グッドウィン「繭」が一番気色悪い。モンスター・ホラーが続く中で、フランク・グルーバー「十三階の女」は、他の収録作と毛色の違うネタが光る。