●明日日曜日、東京国立近代美術館フィルムセンターで、横溝正史原作の『お役者文七捕物暦 蜘蛛の巣屋敷』が上映されるという。この作品は衛星放送で何度か流れたらしいが、そっち方面の環境が整っていないので観たことがない。いい機会だから、観に行こうと思う。
で、その前に、予習をしておくことにする。時代映画社発行の雑誌『時代映画』昭和三十四年三月号に、比佐芳武作の『蜘蛛の巣屋敷』シナリオが掲載されているのだ。本当は、内容をほとんど忘れている原作本を再読するのがベストなのだが、そいつはちょっとしんどい。
●シナリオを読んだ。かすかに覚えている原作本と比べ、ずいぶんシンプルになっているようだ。文七の出自にまつわるエピソードが削られているし、被害者の人数も変わっている。土蜘蛛党の位置付けの変化が特に大きい。映画向けに内容を絞り込み、同時に原作を読んだ人間も楽しませる。こういうのが、原作があるシナリオの書き方なのか、と感心する。
●晩は焼き豆腐。味噌に葱と鰹節と砂糖と出汁を混ぜて練ったタレが、香ばしく焼けてまことに旨い。一丁ペロリといってしまう。他に、買ってきた焼鳥とトマト。アルコールはワンカップ焼酎をホッピーで。