累風庵閑日録

本と日常の徒然

『有栖川有栖の鉄道ミステリー旅』 有栖川有栖 山と渓谷社

●『有栖川有栖の鉄道ミステリー旅』 有栖川有栖 山と渓谷社 読了。

穏健な鉄道エッセイと旅行記。穏健だけれども、昨日も書いたように、旅行に行きたい気持ちをぐいぐい掻き立ててくれる刺激的な本である。また、読んでいるうちに私自身の旅行の記憶を呼び覚ましてくれる触媒の働きもした。読み手の過去にも未来にも、小波を立てる力を持った本である。最後から二番目の「再訪、最南端の鉄路(九州 指宿枕崎線)」がベスト。その理由は。

JR九州の株式上場に伴い、指宿枕崎線廃止の可能性が取り沙汰されている。なので、早いタイミングで乗りに行かなきゃ、と思っていた。そんな今日この頃にこのエッセイを読んで、年内に鹿児島旅行を決行しようと決めたのである。

行くぜ!

ちなみに前回枕崎まで行ったのは、三十年近い昔のことである。私もこのエッセイと同様、再訪ということになる。

●鹿児島旅行は行くとしてもまだ何カ月も先の話。それとは別に、直近の温泉旅行の行先を物色した。「18きっぷ」を活用するなら、JRの在来線だけで行けて、切符が無駄にならないよう近すぎず、かといって疲れないよう遠すぎず、という場所でなければならない。候補は二個所に絞った。

だが、そもそも「18きっぷ」を買うかどうかまだ決めていない。買わない場合の候補地も一個所視野に入れている。あとは今後の、憂世の義理だの財政状況だの、自分の気まぐれだので計画が煮詰まってゆくだろう。

こうやって計画をぐるぐる考えている時間がなんとも楽しい。