●神保町シアターに映画を観に行く。乱歩の「蜘蛛男」と人形佐七の二本を観るのだ。早すぎると分かっているのに、また九時半に着いてしまった。チケット発売開始の十時まで、近くのコーヒーショップで時間を潰す。我ながらどうもせっかちで、ちょうどいい頃合いまで自宅で時間を調整するよりも、まずに現地に行ってしまってそこで時間を潰す方が性に合っている。
●さっさとチケットを購入し、「蜘蛛男」の上映開始まで神保町をうろうろする。まずは三省堂を覗き、『だれがコマドリを殺したのか?』 E・フィルポッツ 創元推理文庫 を購入。古本屋を何軒か覗くが結局何も買わず。昨日の日記に書いた『吸殻とパナマ帽』を見かけたが、値段が高過ぎなので手を出さない。
●さて「蜘蛛男」だが、いやあ、はちゃめちゃな映画だ。早い段階で原作から逸脱してあれれと思っていたら、途中からあまりの荒っぽさにストーリーなんかどうでもよくなってきた。話の種になるという意味で、観たのが無駄ではなかったけれど。
●余談だが、本日初回上映の「黒蜥蜴」は盛況で、チケットが完売満席になったという。それに比べて「蜘蛛男」は、三~四割の入りで空席が目立った。道理で、朝私が並んだときにはすでに先客が十数人いたのに、手にしたチケットの整理番号は二番と三番だったよ。行列の多くが「黒蜥蜴」目当てだったらしい。
●本日第三回上映は、先日フィルムセンターで観たお役者文七なのでパス。第四回上映の時刻まで、再び神保町をうろうろして、コーヒーショップに入って時間を潰す。本を一冊持ってきていたのだが、どうも読む気がしない。ポメラで今日の日記を書く。
●さて、「人形佐七捕物帳 めくら狼」を観る。どうも平坦な展開で、ちと退屈。だが、最後の解決シーンですべてオッケーになった。もう何が何やらでさっぱり分からないのが可笑しい。
●上映が終わった後は、映画館に居合わせた横溝系の知人で集まって居酒屋へ。映画の感想だの四方山話だので楽しく過ごす。