累風庵閑日録

本と日常の徒然

『クムラン洞窟』 渡辺啓助 出版芸術社

●『クムラン洞窟』 渡辺啓助 出版芸術社 読了。

「秘境シリーズ」の集大成なんだそうな。舞台となる世界各地の秘境の描写が面白い。そっちが面白すぎて、ただでさえ地味なストーリーが舞台の迫力に負け、かすんでしまっている。面白さの質が、ノンフィクション的なのである。例外は最終話「逃亡者の島」で、展開がちょっと面白かった。もう一編秀逸なのが表題作で、シリーズ番外編と言いたくなる。なにしろ舞台は横浜だし、殺人事件をテーマの一つに据えたミステリになっているのだ。

●諸事情で延期していた京都旅行の日程が、ようやく決まった。既に宿の予約は済んでいる。今年は洛南エリアを中心に観光したい。これから来月にかけて、平等院を始めとするいくつかの寺社についてWikiを読み猟り、付け焼刃の知識を蓄えようと思う。