累風庵閑日録

本と日常の徒然

百唇譜

●「光文社文庫『金田一耕助の新冒険』を一年かけて読む」プロジェクト。今回の作品は「百唇譜」である。その昔双葉社から出た単行本『青蜥蜴』で読んでいるが、内容を全く憶えていない。

で、読んでみた結果、ううむ……と唸る。
これって日付が食い違ってないか? 事件発覚は二十三日未明。ところが捜査が本格化した「トランプ占い」の章では、「きょうは六月二十四日」と明記してある。朱美の所持品と(伏字)の証言との間にも矛盾があるし、相変わらず原型作品は荒っぽい。

この後引き続き、改稿版である角川文庫の『悪魔の百唇譜』に取り掛かる。どれくらい変わっているのか、楽しみである。