累風庵閑日録

本と日常の徒然

『公園はおれのもの』 S・ピータース 角川書店

●『公園はおれのもの』 S・ピータース 角川書店 読了。

「公園」の文字には「セントラル・パーク」とふりがながある。ゲリラ戦の技能を持った、ベトナム帰りの元兵士がニューヨークのセントラル・パークを占拠するという話。

そつなく書かれた佳作。序盤こそスローモーだが、すぐに加速して最後までノンストップである。展開も登場人物の配置も、いかにもありがちな型通りで、だからこそ何も引っかかることなく読み進められる。途中で停滞しないというのは、娯楽小説としては大事なことである。