●文学フリマに出かける。まずは横溝系サークル「神保町横溝倶楽部」の皆様にご挨拶申し上げる。その後、あらかじめチェックしておいた、
『アントニイ・バークリー書評集 第2巻』 アントニイ・バークリー書評集製作委員会
『戦前『科学画報』小説傑作選I』 噴飯文庫
『戦前『科学画報』小説傑作選II』 噴飯文庫
『戦前『科学画報』小説傑作選III』 噴飯文庫
を購入して、会場をあとにする。SFは守備範囲ではないので、科学画報の一巻と二巻はスルーしていた。ところが今度の第三巻がミステリ系だったので、こいつを買うのならこの際、と思って全巻揃えることにした。何がこの際なのかは知らんけど。
●『シャーロック・ホームズ 神の息吹殺人事件』 G・アダムス 竹書房文庫 読了。
ホームズを題材にした、ホラー系アクション小説。……というのは中盤までだった。それ以降はもっと突き抜けて、なんとまあ(伏字)小説になってしまうのであった。あららら。
描写が極めて映像的で、CGを使いまくったB級映画の画面が眼に浮かぶ。ガイ・リッチー監督の映画「シャーロック・ホームズ」の、新作のノベライズと言っても通用しそう。見せ場見せ場の連続でテンポよく場面が変わっていくけど、メインの物語は割と単純である。馬鹿馬鹿しくも愉快で素っ頓狂で、読了した瞬間すべて忘れてしまってもいい娯楽小説である。
それにしてもこの内容では、今月出るはずの続編を買ったものかどうか大いに迷う。この前文庫になった『わが愛しのホームズ』をスルーしたことで、ホームズネタの小説は買えるだけ買うという方針を既に放棄しているし。それにどうやらこのシリーズ、そもそもホームズパスティシュを志向していないらしい。巻末で作者自身が明言しているが、最初からドイルの文体にこだわっていないという。その理由は、「コナン・ドイルが書いているのではなく、私が書いているからだ」だと。