累風庵閑日録

本と日常の徒然

『鯉沼家の悲劇』 鮎川哲也編 光文社文庫

●『鯉沼家の悲劇』 鮎川哲也編 光文社文庫 読了。

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「鯉沼家の悲劇」宮野叢子
叙情味の勝った文章で悠々と描写を積み重ね、過去の様々なエピソードを織り込みながら、鯉沼という「家」とその一族、そして周辺の人々をじっくりと綴ってゆく。そしてようやく事件が起きれば、その後はたちまち物語がフルスピードで疾走し始め、この舞台この文章ならではの結末に行き着く。事件の解明部分は、ミステリとして決着をつけるための手続きのようなものだろう。お約束の手続きに、面白いもつまらないもない。その直前までは面白かった。

「病院横町の首縊りの家」横溝正史岡田鯱彦/岡村雄輔
正史本人の文章は序編だけなので、感想はなし。第一コース岡田鯱彦版は、解決部分の傍点を付された文章にミステリならではの面白さが凝縮されている。普通の小説では、こんな奇天烈な表現にはあまり出くわさないと思う。

「共犯者」狩久
きっちりと、あまりにもきっちりと張ってある伏線が好ましい。

●今日は金曜だから飲んでいい日である。今晩のテーマは、安直な肴で飲む、だ。作った肴は、蒟蒻の醤油煮、竹輪の胡瓜詰&チーズ詰、冷奴、魚肉ソーセージとキャベツのカレー炒め。ビールをぐびぐび飲む。