累風庵閑日録

本と日常の徒然

ヴァチカン教皇庁図書館展

●東京都文京区にある印刷博物館に、『ヴァチカン教皇庁図書館展II』と題する展示を観に行ってきた。ルネサンス期の書物を、ヴァチカン教皇図書館の蔵書を中心に紹介するもの。天草や長崎で印刷された「キリシタン版」と称する本が面白かった。日本でキリスト教が弾圧されたため、現存は極めて稀だという。錬金術の始祖ヘルメス・トリスメギストスの著作とされる『ポイマンドレス』は、私の中の中二心(ちゅうにごころ)をくすぐる。

盗難防止のため書見台につないだ鎖が残っている本や、台に立てた時に自重で痛むのを防ぐために金属片で補強した巨大な聖歌集など、現代とは比較にならない書物の貴重さがうかがわれる。