累風庵閑日録

本と日常の徒然

『ポッターマック氏の失策』 A・フリーマン 論創社

●『ポッターマック氏の失策』 A・フリーマン 論創社 読了。

 面白い。フリーマンってばこんなに面白かったのか。まるでクロフツのような味わいである。いわゆる倒叙ミステリで、犯罪とその隠蔽工作、そしてソーンダイク博士の調査を、堅実に着実に地道に描く。犯人や関係者の、現在までの人生を地に足の着いた描写でたどる。巧妙に思える犯罪が、ソーンダイク博士が登場した途端、穴だらけに見えてくるのがひとつの読みどころ。視点を変えると物の見え方ががらりと変わる面白さである。終盤で、博士が真相に到達した経緯をたっぷりページを割いて語るのも読み応えがあって嬉しい。フリーマンは長崎出版や原書房でも訳されているから、これから読むのが楽しみである。

●今まで扇風機でしのいできたが、ついにクーラーを使うことにした。あまり電気代をかけたくないのだが、この熱気ではそんなことも言ってられない。無理して健康を害したときのコストの方が、たかが電気代より何倍も高くつく。と、考えを改めた。

●七月はジムに十四回行けた。順調だと言っていい。だが今月はなにかとイベントが多いし、そもそもジムの夏季休暇があるというし、あまり行けないかもしれない。