「ふくろうの本」の一冊で、貴族をささえる執事の素顔、という副題が付いている。面白かった。内容は使用人の歴史的考察から始まって、出世の階段を登る様子、日々の仕事とプライベートの生活、主人との関係など。執事を中心とする屋内男性使用人について、その人生をほぼまるごと記してある。
執事になるまでの使用人人生は、まず少年の頃、雑用と使い走りを受け持つページボーイとして始まる。別の屋敷への転職を重ねながら、次第に使用人としての地位を高めてゆき、能力と努力と運とが十分ならば、やがて頂点の執事へと登り詰めることができる。
こういうのを読むと、猛烈にクリスティーを読みたくなる。時代的にはむしろホームズの方が合っているんだろうけど。