累風庵閑日録

本と日常の徒然

ヴィクトリア朝の怪人たち

三井記念美術館で、「蔵王権現と修験の秘宝」と題する展示を観てきた。修験道の本尊である蔵王権現の姿は、十一世紀初頭にはその様式が固まっていたのだそうな。憤怒相で右手右足を持ち上げ、左手は腰にすえるのを基本形とする。今回は、様式から逸脱する例も交えつつ、木造、銅造、鏡像、懸仏、絵画と、バリエーション豊かな蔵王権現の数々が展示されている。如意輪寺蔵王権現像の鎌倉仏の迫力も、三佛寺蔵王権現像の平安仏の素朴さも、どちらも面白い。

 出展品の多くは、奈良県吉野の修験道総本山、金峯山寺と周辺の諸寺が所蔵している。吉野には四年前に訪れたことがあるが、別件旅行のついでだったため、わずか数時間の滞在しかできなかった。いつかちゃんと時間を確保して、じっくり歩いてみたいと思っているのだが。実現の目処はたっていない。

 十月末から十二月頭にかけて、金峯山寺秘仏である本尊蔵王権現像の特別御開帳が行われるという。主に経済的理由により(哀)、今年は行けないけれども、できればタイミングを見計らって御開帳に合わせて訪れたいものである。

丸善丸の内店に立ち寄り、本を買う。
シャーロック・ホームズヴィクトリア朝の怪人たち1』 G・マン編 扶桑社ミステリー