累風庵閑日録

本と日常の徒然

ドラキュラ

●今年は横溝正史関連の本をできるだけ読んでいこうと思っている。その一環として、近いうちに『髑髏検校』を再読する予定である。ただ単純に再読するのではなくて別に目的はあるけれど、それは後日書く。で、まずはその下準備として、ストーカーの『吸血鬼ドラキュラ』を読み始めた。正史はこの作品を三分の一ほど読んだ段階で『髑髏検校』を書き始めたそうだが、果たして内容がどのように反映されているのか、自分で確かめてみたい。

 『ドラキュラ』は再読である。いつの頃か定かでないほど以前に読んだときのことは、やや退屈だった印象だけがぼんやりと残っている。ところが今回読み始めると、予想外に展開に起伏があって面白い。ドラキュラ伯爵が英国ホイットビーの港に上陸するシークエンスなんざ、ちょいと凄味がある。

 とはいうものの、文庫版で五百ページを超える大部の本なので、順調にいって読了まで四日間、気分が乗らなければ一週間はかかるだろう。