累風庵閑日録

本と日常の徒然

北海道立図書館に突撃

●ホテルの軽食を喰って七時前にチェックアウト。電車に乗って札幌へ向かう。先発隊と合流し、大麻駅へと移動。さていよいよ、道立図書館に突撃である。

●あらかじめ当たりを付けておいた雑誌の閲覧申請を出すと、やがて館員殿が三段のワゴンに左右二列ずつみっしりと雑誌を積んで現れる。三人で手分けして、満載の古雑誌の目次をひたすらチェックしてゆく。横溝正史の作品で目を引いた物があればコピーをとる。作業が終われば館員殿にお願いして、次の雑誌群を運んできていただく。その繰り返しを、朝九時から昼食時を除いて夕方五時まで続ける。

ワゴンが一台しか使えなくて、雑誌を積み替える作業をやっていただいている間はしばしの待ち時間が発生する。現場ではロスタイムと思ったけれど、この日記を書いている今は、あの時間がいい小休止になっていたのだと思う。

●収穫をいくつか挙げると、「風盗賊」、「呪われ舞台」、「人体模型」、「幽霊屋敷」といった、既存作品の改題版があった。「妖説血屋敷」と「名槍まんじ暦」とがやたらに再録されているのは面白い発見だった。

不知火甚左版の「笛を吹く浪人」が、なぜか戦後の雑誌に再録されていた。伝七版の「江戸名所図絵」と「雷の宿」もあった。

人形佐七ものの「雪女郎」が極端にダイジェストされ、わずか四ページのカラー口絵の、しかもページ面積の三割くらいのスペースだけで完結していたのは凄まじい。テキストのバリエーションが興味の対象なので、このカラー口絵小説が見つかったのは嬉しい。

雪女郎.jpg

●もう一つの課題が、北方資料室の調査である。横溝正史がとある対談で、樺太でそうとう作品を出したと語っているのだ。樺太で発行されていた雑誌「北方日本」の昭和二十年の号に、佐七シリーズが連載されていたのは分かっている。今回は上記の「そうとう」という一言を頼りに、昭和十九年以前に遡って、それ以外の作品が載っていないかどうかを確認した。結論として発見は無かったけれども、掲載が無いと分かっただけでも成果である。

●さてそろそろ閉館の時刻なので撤収する。充実した疲労感があるし、手指は埃で黒くなった。札幌に戻っていったん分かれ、ホテルにチェックインして荷物を置く。

ススキノに集合して、飲んだくれることにする。昨晩はつましい食事だったが、今日は毛蟹の半身を人数分と舟盛三人前だ。ホヤ塩辛にザンギにじゃがバターにホッケの開きに生ラム角切り焼きに北寄貝バター焼きだ。サッポロクラシック吟醸酒だ。店を変えて日本酒バーだ。〆に味噌ラーメンだ。いやはや。

●飲みながらいろいろ横溝&その他の話。なぜか鉄の話も。温泉横溝オフをやろうぜ、王子で飲もうぜ、などと盛り上がる。私はいくつか宿題を引き受ける。帰宅してから対応しなければ。