累風庵閑日録

本と日常の徒然

根津美術館と横溝オフ

根津美術館に、「根津青山の至宝」と題する展示を観に行ってきた。根津美術館の収蔵品の基となった、根津嘉一郎のコレクションを展示するものである。「鶉図」、「那智瀧図」といった国宝絵画を目玉に、茶器、古経、仏画といった美術品を集めてある。

 嘉一郎は財力に物を言わせて大量の美術品を買い集め、これはという品が手に入ると茶会を開いて好事家に披露した。集まった同好の士は、凄い凄いと褒め称えた。展示品の多くには、何年に入手して何回茶会に使用したかという記録が付されてある。

 展示品の面白さよりも何よりも、今回印象に残ったのは、人間の欲と虚栄心と物への執着の果てしなさであった。そういう人間臭さを想うと、つい薄ら笑い微笑みが浮かぶ。

●美術館から、地下鉄表参道駅を通過して原宿まで歩く。太田記念美術館に移動して浮世絵の展示を観るつもりであったが、どうも気疲れしてしまった。コレクターの毒気に当てられたのである。予定を変更してそのまま原宿駅を通過し、代々木公園へ向かう。公園のベンチに腰を下ろして、本を読む。このあとは三時から横溝系の集まりがあるので、それまで時間を潰さないといけない。

●三時になったら大森駅前に集合して、まずは手近のファミレスへ。横溝関連資料の頒布会である。でも実際は、資料頒布は別途機会を設けることにして、ただお喋りするだけであった。夕方になって飲み屋に移動して、本格的なオフ会の開始である。はじめましてのお方を交えて総勢七人で、ひたすら横溝話。ネタが尽きる気配は全くない。今後の活動計画やなんかも話をして、九時過ぎにはお開き。お疲れさまでした。