●『不可能犯罪課の事件簿』 J・ヤッフェ 論創社 読了。
過剰な装飾のない、真っ当で素直なミステリ短編集。「キロシブ氏の遺骨」や「袋小路」でちょいとずっこけたりもするが、それをフォローするクイーンのルーブリックが素晴らしい。本編とルーブリックをペアにして初めて、この面白さが醸し出される。世評が高いという「皇帝のキノコの秘密」が、やはり一番の出来栄えだと思う。トリックの新規性なんて観点はあまり重視していないので、王道を行く第一話「不可能犯罪課」がなかなか楽しい。
ポケミスの『ママは何でも知っている』は未読なので、ぜひ読んでみなきゃ、と思う。こうやって、読めば読むほど読みたい本が増えてゆく。
●先月の総括。
買った本:七冊
読んだ本:十冊
原書房のヴィンテージミステリと論創海外とを買ってないので、今月はその分しわ寄せがくる。