累風庵閑日録

本と日常の徒然

茨城遠征

茨城県立図書館に遠征してきた。目的は、横溝文献のコピー入手である。

 横溝正史の「迷路の花嫁」は、昭和二十九年の四月末から約五カ月間、当時「いはらき」という名称だった茨城新聞に連載された。その茨城新聞は、茨城県立図書館にマイクロフィルムの状態でごっそり保存されている。全百五十七回に及ぶこの初出テキストを、すべてコピーしてやろうと思うのだ。

 郵送でコピーを依頼できる制度はあるのだが、さすがに枚数が多いので丸投げは気が引ける。それに、実際に現場に足を運ぶというのも、なんとなしときめくものがある。という訳で、早朝の電車に飛び乗ってはるばる水戸まで遠征に赴いた次第である。

●駅から歩くこと約十分で、県立図書館に到着。早速、新聞・雑誌カウンターで閲覧を申し込み、フィルムビューアーの前に腰を据える。操作説明を聴いて、あとはただひたすらフィルム送りとコピーとの繰り返し。

 助かったのは、新聞連載だから一回分が一枚の紙で済んだこと。もう一点は、フィルムだったおかげでハンドルの操作ひとつで次々と文献の置き換えができたこと。紙の状態だったらとてもこんなスムーズな作業はできない。結局二時間もかからずに、全回分のコピーを終えることができた。目的を達した満足感とともに図書館を後にする。

●途中の土浦で下車して土浦古書倶楽部を覗くが、何も買うものは無し。

●さて、コピーを入手できたはいいが、大変なのはこれからである。内容の精査をいつやろうか。