累風庵閑日録

本と日常の徒然

『新・本格推理02』 二階堂黎人編 光文社文庫

●先月末に読み残していた『新・本格推理02』 二階堂黎人編 光文社文庫 を読了。

 このシリーズは、すくなくとも鮎川哲也監修の文字が入っている第三巻までは読むつもりである。楽しめたのは後藤紀子「恐怖時代の一事件」、愛理修「月の兎」、宇田俊吾/春永保「湖岸道路のイリュージョン」の三編。どれがどれとは書かないが、ちょっとした錯覚、そんな犯行になった理由、伏線とその回収、の面白さを買う。

 頭一つ抜けているのが、長谷川順子/田辺正幸「『樽の木荘』の悲劇」である。真相にもその解明に至る段取りにもあまり感銘は受けなかったけれど、全般的に堅実でよく考えられていて、上手い。

横溝正史の短編「傘の中の女」に関して、ちょいとデータを整理して某所にアップ。