累風庵閑日録

本と日常の徒然

『フレンチ警部とチェインの謎』 F・W・クロフツ 創元推理文庫

●ジムで四か月ぶりの身体測定。結果は体脂肪が減って筋肉が増え、差し引きで体重が増えた。筋肉で太るのは問題ない。なかなかいい調子。

 実際に測定したのは体重と体脂肪率である。これらの数値は日々変動しているので、今回の結果は一応の目安でしかない。それでも嬉しいこた嬉しいし、今後の励みにもなる。

●『フレンチ警部とチェインの謎』 F・W・クロフツ 創元推理文庫 読了。

 その昔あかね書房版で読んだのだが、例によって内容は忘却の彼方である。ぼんやりと、フレンチ警部がなかなか登場しなかったことを覚えている。

 前半は、一度は敵に屈したチェイン氏が己の誇りをかけて立ち上がり、再び敵に挑む冒険小説。人が良過ぎるのかなんなのか、繰り返し敵に騙されてしまうのが少々頼りない。後半になってフレンチ警部が登場してからは、いよいよクロフツ節の本領発揮である。ホテルの領収書の切れ端から推理を巡らす過程なんざ、これぞクロフツ、という味わいで嬉しい。地道で堅実な筆の運びは突出した面白さはないけれど、いつもの面白さがあって安心して読める。

 読了ついでに、あかね書房の『マギル卿さいごの旅』に収録されている「チェーンの秘密」を少し覗いてみた。後半の、フレンチ警部の捜査によって謎が解明される経緯が、大胆に省略されている。