累風庵閑日録

本と日常の徒然

出光美術館

出光美術館に、「やまと絵の四季」と題する展示を観に行ってきた。今回の目玉は、国宝の「伴大納言絵巻」である。近くでまじまじ観ると、皺だの剥落だので傷みが目立つ部分もあるが、残っている領域は色彩が鮮やか。様々な人物の表情、仕種、着物の柄などが細かく描かれていて楽しい。全三巻のうち、今回展示されているのは第一巻のみである。残りの二巻分は後日の企画で展示されるというから、ぜひとも観に行きたい。

 他の展示品の中では、花鳥を描いたやまと絵の屏風が眼を引く。ことに、全面に桜と紅葉とを描き尽くした「吉野龍田図屏風」が最も気に入った。こういう屏風を欲しいなどと、ふと妄想するが、もしも実際に日常生活で目の前にあったら、あまりに絢爛すぎてすぐに持て余すだろう。