累風庵閑日録

本と日常の徒然

脚本「不知火奉行」

●書店に寄ってDVD『本陣殺人事件』を買ってきた。鑑賞は、皆でタイミングを合わせて観るネット上のイベントまでしばらくおあずけである。

●「不知火奉行」の脚本を読んだ。中盤までは割と原作に忠実だが、それ以降話がふくらんでおり、ミステリ的な趣向も増えている。悪徳役人とその上役といった典型的なネタや、チャンバラの立ち回りなども追加されている。正史作品にはよくあることだが、原作は終盤で少々駆け足になって終わってしまった。そのあっけなさと比べるとこの脚本は、より大衆娯楽時代劇らしく仕立てられている。

 不知火がお軽をよろめかせる描写がなくなったのは、不知火を清廉な人物に仕立てたかったからか。平馬が悪役になっているのは、原作にある、源三郎とは友人同士でなおかつ敵同士でもあるという関係が分かりにくいと判断されたのか。映画向けの改変が興味深い。

 さて、実際に映画を観るのは、たぶん週末になる。