累風庵閑日録

本と日常の徒然

『日影丈吉集 かむなぎうた』 ちくま文庫

●『日影丈吉集 かむなぎうた』 ちくま文庫 読了。

 日下三蔵編の、怪奇探偵小説名作選第八巻である。「狐の鶏」の、閉鎖的でじっとり湿ったような田舎空間の息苦しさは、横溝正史の書く「閉鎖的な田舎」が牧歌的に見えてくるほどである。「饅頭軍談」は、他の収録作との毛色の違いを途中までは面白く読んだが、最後に至って後ろから膝の裏をカックンとされた気分だ。その他個別の作品にコメントは付けないが、「吉備津の釜」、「写真仲間」、「吸血鬼」くらいが特に秀逸であった。

●この日記をアップしてから出かける。今晩はちょっとした飲み会があるのだ。