累風庵閑日録

本と日常の徒然

『古書収集十番勝負』 紀田順一郎 創元推理文庫

●体調悪化をまだひきずっている。中年と呼ばれる歳になって以降、回復にやけに日数がかかるようになってしまった。自重してジムは休む。最後にジムに行ったのは、先日の中国地方周遊旅行の前だ。以来なんとなくサボり癖が付いてしまっていた。これではいけないと、そろそろジム通いを再開しようと思った矢先の、この体たらくである。

●書店に寄って本を買う。
『名探偵と鉄旅』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫

●『古書収集十番勝負』 紀田順一郎 創元推理文庫 読了。

 人物の嫌らしさが面白い。前回読んだヘイヤーは登場人物の個性が強かったが、本書は登場人物のアクが強い。収集欲、金銭欲、顕示欲、権力欲、探求欲。欲にまみれ欲に囚われ欲に我を忘れた人々が巻き起こす騒動が、なんとも香ばしく、微笑ましい。

 物語の展開が面白い。途中からの展開がスリリング。業界内幕小説の面白さも古本綺譚の面白さもありつつ、ちゃんとミステリになっているところに満足。まあ創元推理文庫に入っている時点で、ミステリなのは最初から明らかなのだが。