累風庵閑日録

本と日常の徒然

『いい加減な遺骸』 C・D・キング 論創社

●『いい加減な遺骸』 C・D・キング 論創社 読了。

 毒殺手段の真相はお世辞にもスマートは言えず、ちょいと拍子抜け。だが、そのネタを核にして構築された謎の演出とロジックとはよく考えられていて、ミステリの面白さを十分に味わえる。また、毒殺手段と密接に関連した犯人隠蔽のテクニックも、やや屁理屈めいているところがむしろ楽しい。

 途中で提示される奇天烈な犯行方法は、作品の賑やかしの意味しか感じられず、ちと退屈であった。

●スーパーで生筋子を買ってきた。年に一度の季節のお楽しみ、イクラ醤油漬けを仕込むのである。漬けダレは、出汁、醤油、味醂それぞれ同量を煮立ててアルコールを飛ばし、常温まで冷やす。そのタレにまずは丸ごと漬け込む。このあと寝る前に一度取り出してほぐし、さらに一晩漬ける。