累風庵閑日録

本と日常の徒然

図書館調査行

●東京都立中央図書館に行く。今度の北海道行きに向けて、調査方針の検討をするのだ。

 もう少し具体的に書く。北海道立図書館に、昭和二十年代三十年代の雑誌が膨大な量所蔵されている。ある取次会社が寄付したという。その数何と十万冊以上。中には大衆向け小説雑誌も含まれており、当然ミステリも大量に掲載されている。それら膨大な雑誌群を丹念にチェックしていけば、横溝正史の作品再録や初出、改題作品、現在流布している改稿版の原型テキストなど、書誌的に興味深い収穫が得られると期待している。可能性は低いが、新発見の作品だってあり得ない話ではない。

 今回数人の調査チームを組んで道立図書館を訪問し、実地にチェックしてくる予定である。ただし、対象があまりにも膨大なため、なんとなく取り組んだのでは作業効率が悪い。そこであらかじめ、どういった雑誌を調査すべきか、当りを付けておく必要がある。そのための手掛かりとなるのが、道立図書館の所蔵目録『栗田出版販売株式会社寄贈雑誌目録』である。そしてこの冊子が、都立中央図書館に所蔵されているのだ。

 というわけで本日は、文献系横溝マニアでもある三人が図書館に集まることになった。早速件の目録を借り出し、各自持ち寄った書誌データを参考に、現地で閲覧申請すべき雑誌をピックアップしてゆく。例えば、『講談秘話』、『傑作読物』、『面白小説』、『捕物講談』、『おもしろブック』、『少年画報』といった雑誌である。

●一とおりの調査を終え、さて飲みに行くことにして、上野に移動。まずはブックオフを覗く。

そこで買った本。
『ハリウッド殺人事件』 J・アンダースン 創元推理文庫
『ホリデー殺人事件』 J・アンダースン 創元推理文庫
『謎の家』 M・ルブラン 創元推理文庫
『特捜班ヴィクトール』 M・ルブラン 創元推理文庫

ルパン物を少しずつ読んでいこうと思っている。

●立ち飲み屋でお疲れ様。明日所用があるとのことでお一人は帰宅。残った二人で今度は座れる居酒屋へ。相も変わらず横溝話。話がはずんで愉快になって、おかげでちと飲み過ぎた。