累風庵閑日録

本と日常の徒然

たった一ページで

●道立図書館遠征へ向けて気分が盛り上がっているので、横溝正史「蝋面博士」の、角川文庫版と初出誌とを最初の一ページだけ比較してみた。

初出誌⇒角川文庫版(カッコ内は文庫版6ページの対象個所)
・いちばんさむい季節だけれど⇒いちばん寒い季節だが(1行)
・いくらもあがりません⇒いくらもあがっていない(2行)
・御子柴進くん⇒御子柴進少年(4行)
数寄屋橋⇒有楽町(4行)
・探偵小説⇒ミステリー小説(6行)
・こんざつしていましたが⇒混雑していたが(12行)
・首をすくめています⇒首をすくめている(13行)

 たった一ページでこんな状況なのだから、全編ではいったいどれほどの改変があることか。