●国会図書館で、横溝ジュブナイルが掲載された少年誌の所蔵状況を確認。ジュブナイル作品の多くが角川文庫で読めるので、今まではそれで満足していた。だが、視野に入れていなかった初出テキストに関心を持つと、これがなかなかコピーしがいのある分量のようだ。すでに一件、とある長編の連載を丸ごとコピー依頼した。
●倉敷市観光課から、「巡・金田一耕助の小径」学会誌第四号が届いた。ぱらぱらと眺める。「悪魔の手毬唄」の犯人の人物像を掘り下げるY氏の論文は、内容の面白さと筋道の明快さにあらためて感じ入る。人形佐七ものと金田一ものとの相互改稿関係を調査したK氏の論文は、私自身感心を持っている改稿ネタなので、読み直しても大変に興味深い。
そしてこういうお見事な論文を読むと、軽々しく発表に手を挙げるなんてできない、と怖気づいてしまうのであった。