累風庵閑日録

本と日常の徒然

『ラリーレースの惨劇』 J・ロード 論創社

●税務署に行ってきた。日曜だから当然業務はやっていない。プリントアウトした確定申告の書類一式を、時間外収受箱に放り込む。ああ、やれやれ、これで肩の荷が下りた。

 今年はなんじゃかんじゃあって、ウン万円の税金が還付される。やったぜ臨時収入! と一瞬思いそうになるが、ただ単に払い過ぎた税金が戻ってくるだけで、収入ではないのだ。ついうっかり無駄遣いしないように、心せねばなるまい。

●『ラリーレースの惨劇』 J・ロード 論創社 読了。

 まったくもって面白い。少なくとも終盤直前までは。余計な装飾もなく外連もなく、ひたすら事件の捜査に取り組む姿を描く内容には、オーソドックスな謎解きミステリを読む楽しさがある。新たな事実や新たな仮説がテンポよく提示され検討され、読んでいてだれることがない。プリーストリー博士の造形がいかにも名探偵らしく、これも謎解きミステリの楽しさのひとつ。

 だが、だが、真相とそこに至るまでの詰めは、どうも厳しい。最後でずっこけるのは、残念である。巻末解説を読むと、懐かしい探偵小説の雰囲気を味わうのが正しい楽しみ方だと書いてある。まあ確かに、その部分を大いに楽しめたのは間違いないけれど。